週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

阪神・佐藤輝明が塗り替える記録は? 2000年以降に登場した1年目選手の「最多・最高記録」

 

 新人最多記録を見ると、1リーグ時代や2リーグ制黎明期など、古い時代に達成された記録が多く並んでいる。中には、今後破られないであろうアンタッチャブルな新人記録もあり、現在プレーする選手との比較が難しいケースも多い。そこで今回は、比較がしやすいよう「2000年以降にプレーした1年目新人の最多・最高記録」を並べてみた。

阪神・佐藤が塗り替えるかもしれない記録もある



 まずは打撃成績から、2000年以降での「1年目の新人による最多・最高記録」をピックアップしてみた。

●打率…….2888
梵英心(広島/2006年)

 打率は2006年に広島の梵が記録した.2888が、2000年以降では最高となる。2010年には巨人長野久義が.28837と僅差まで迫ったが、梵を上回ることはできなかった。

●得点……85得点
源田壮亮(西武/2017年)

 得点は西武の源田の85得点が最多となる。この年、源田は新人ながら全143試合に出場しており、これも2000年以降ではロッテ藤岡裕大(2018年)と並ぶ新人最多の数字だ。

●塁打……220塁打
近本光司(阪神/2019年)

 塁打は阪神の近本が2019年に記録した220塁打が最多となる。さすがに巨人の長嶋茂雄(58年)が記録した290塁打という化け物のような新人記録には届かなかったが、近本の数字は歴代でも7位に入る新人記録だ。

●安打……159安打
近本光司(阪神/2019年)

 安打数も近本が記録した159が2000年以降では最多。歴代最多は佐々木信也の180安打(56年)だが、それに次ぐ数字だ。近本以前は2017年に西武の源田による155安打が歴代2位であったが、見事に塗り替えた。

新人時代の巨人・長野久義


●本塁打……25本
村田修一(横浜/2003年)

 新人最多は西武の清原和博(86年)と大洋の桑田武(59年)の31本だが、2000年以降の1年目記録では横浜の村田修一の25本が最多。高卒1年目で31本もの本塁打を放った清原がいかにすごかったのかが分かるだろう。

●打点……65打点
高山俊(阪神/2016年)

 2000年以降の新人最多打点は、阪神の高山が記録した65打点が最多となる。ルーキーが打点を挙げるのは意外と難しく、実は先述の村田も25本塁打をマークしたものの、56打点とこちらは思ったより伸びなかった。

●盗塁……39盗塁
赤星憲広(阪神/2001年)

 2リーグ制以降では初となる新人盗塁王に輝いた、阪神の赤星の39盗塁が2000年以降ではトップだ。2019年には近本も新人盗塁王になっているが、こちらは36盗塁で赤星を上回ることができていない。

●三振……111
村田修一(横浜/2003年)

 強打者の証でもある三振数は、村田が2003年にマークした111三振が2000年以降では最多となる。2019年に、阪神の近本が110三振を喫しており、あと1回三振すれば村田と並んでいたのだ。

 2000年以降での新人打撃記録を並べてみたが、今季塗り替えられそうなのが本塁打、打点、三振だ。阪神のルーキー・佐藤輝明が、2021年5月29日時点で13本塁打、38打点、66三振を記録。順調なら2000年以降どころか、歴代最多も狙える数字だ。

投手記録の中には歴代最多も存在する


 続いて、2000年以降での投手記録をピックアップしてまとめてみた。

●登板数……72
益田直也(ロッテ/2012年)

 シーズン最多登板は、2012年にロッテの益田直也がマークした72。これは2000年以降だけでなく、歴代でもトップの数字だ。もちろんこの年は新人王にも選出された。

●勝利……16勝
小川泰弘(ヤクルト/2013年)

 2000年以降では、ライアンことヤクルトの小川泰弘の16勝が新人最多となる。この年は巨人の菅野智之、阪神の藤浪晋太郎も新人王に価する成績を残したが、最多勝と最高勝率の二冠を達成した小川が新人王になっている。

●セーブ……37
山崎康晃(DeNA/2015年)

 セーブ数は、2015年にDeNAの山崎が記録した37が、2000年以降だけでなく歴代でも最多だ。残念ながらリーグ最多セーブとはいかなかったが、2勝4敗37セーブ7ホールド、防御率は1.92と1年目とは思えない成績で、新人王にも選ばれている。

●ホールド……41
益田直也(ロッテ/2012年)

 最多登板記録を更新した益田は、新人最多ホールドもマーク。それまではソフトバンク攝津正(09年)が記録した34ホールドが新人記録だったので、大幅に更新となった。

新人時代の楽天田中将大


●奪三振……196
田中将大(楽天/2007年)

 2000年以降の奪三振記録は、2007年にマーくんこと楽天の田中将大が残した196が最多。高卒新人では歴代4位となる記録だ。奪三振ペースもすさまじく、高卒新人では歴代最速タイとなる96回2/3で、シーズン100奪三振を記録した。

●防御率(先発投手)……1.91
森下暢仁(広島/2020年)

 2000年以降での新人防御率記録は、昨季の新人王・広島の森下が残した1.91が最も優秀な数字だ。それまでは同じく広島の先輩である野村祐輔(12年)が記録した1.98が最高だったが、森下が塗り替える形となった。

 今季活躍中の1年目投手は、先発では楽天の早川隆久、抑えでは広島の栗林良吏が挙げられる。早川はリーグトップの6勝、栗林はリーグ2位タイの10セーブを挙げており、今後の活躍次第では2000年以降での最多記録更新も夢ではない。

 2000年以降、新人が記録した「最多記録」を紹介した。今季は活躍している1年目選手が多く、2000年以降だけでなく、歴代最多記録を更新する可能性もある。特に阪神の佐藤輝は数々の新人打撃記録更新が期待される存在。今後どこまで打撃成績を伸ばすのか、そのバッティングに注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング