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岡本和真が狙う2年連続「本塁打王&打点王」。過去巨人の選手で「連続二冠王」は誰が達成?

 

巨人の四番として年々風格が増している岡本和


 現在(2021年6月1日終了時)のセ・リーグ打撃成績を見ると、巨人・岡本和真が本塁打と打点の2部門でトップ(本塁打はトップタイ)。岡本和は昨季も本塁打と打点でタイトル二冠を達成しており、時期尚早ではあるが、2年連続の打撃二冠も期待できる。では、これまで多くの強打者が所属した巨人で、本塁打と打点の打撃二冠を、「2年連続」で達成した選手はいるのだろうか?

2年連続での本塁打と打点の打撃二冠は王だけが達成


通算868本塁打を放っている王は何度も打撃二冠に輝く


 結論から言うと、「本塁打」と「打点」の打撃二冠を2年連続で達成した巨人の選手は王貞治しかいない。川上哲治青田昇長嶋茂雄松井秀喜など、数多くの名打者も達成することはできなかった。

 王は、1962年に初めて「本塁打」と「打点」の打撃二冠を達成するが、翌1963年は長嶋が最多打点を記録。残念ながら2年連続とはならなかった。しかし、1964年に再び打撃二冠に輝くと、そこから1967年まで4年連続で本塁打と打点でリーグトップの数字を記録し続けた。

 1968年は長嶋が打点王になり、王の連続記録をストップ(長嶋は1970年まで3年連続打点王)。それでも、王は1971年に再び本塁打と打点の二冠を獲得すると、1974年まで4年連続でタイトルを取り続けた。この4年間のうち、1973年と1974年は三冠王(2年連続)になっている。

 王は1975年に不振から最多本塁打のタイトルを逃すが、1976年には復調して再び本塁打と打点の二冠を達成。翌1977年も本塁打と打点の二冠を獲得し、自身3度目の連続獲得を達成した。

 王以降は、松井秀喜(1998年、2000年、2002年)やアレックス・ラミレス(2010年)が「本塁打」と「打点」の打撃二冠を達成しているが、2年連続では達成できず。巨人の選手による「本塁打」と「打点」の打撃二冠は、これまで王ただひとりなのだ。

松井もラミレスも達成できず


ヤクルトから移籍し、巨人でも最強助っ人として強打を発揮したラミレス


 では、「本塁打」と「打点」に限定せず、例えば、「首位打者と最多安打」「首位打者と最多盗塁」のように、別の打撃タイトルの組み合わせでの二冠ではどうなのだろうか? 果たして2年連続で獲得したケースはあるのか調べたところ、またしても王以外の達成選手はいなかった。

 例えば、ラミレスは2009年に「首位打者」と「最多安打」のタイトルを獲得し、翌2010年には「本塁打」と「打点」の二冠を達成。一応、「打撃タイトル二冠を2年連続で達成」ということになるが、「首位打者と最多安打を2年連続」といった、同じ組み合わせでの連覇は達成できていない。

ヤンキースに移籍するまで巨人の四番として存在感が大きかった松井


 松井は1998年に本塁打、打点、最高出塁率のタイトルを獲得するも翌1999年は無冠。2000年に再び本塁打、打点、最高出塁率の三冠に輝くが、翌2001年は首位打者以外が獲得できなかった。2002年は再び本塁打、打点、最高出塁率でリーグトップとなるも、この年をもってヤンキースに移籍したため、2年連続での二冠達成とはならなかった。

5月に入って好調な岡本和


 王以来の連続二冠王が期待される岡本和は、入団4年目の2018年にスタメンを勝ち取り全試合に出場。いきなり打率.309、33本塁打、100打点と活躍した。特に100打点はプロ野球史上最年少での記録だった。翌2019年は前半戦で一時不振に陥るも、最終的に31本塁打、94打点をマーク。2年連続でのフル出場も達成した。

 短縮シーズンとなった昨季も、シーズン中盤で調子を落とすも、後半戦で一機に盛り返して本塁打と打点の2冠を達成。「本塁打」と「打点」での二冠は、巨人の選手としては2010年のラミレス、生え抜き日本人選手では2002年の松井以来だった。

 今季は5月に入ってから一気に調子を上げており、5月だけで9本塁打と一気に数字を伸ばしてトップの村上宗隆(ヤクルト)に並んだ。打点は46で、リーグ2位の佐藤輝明(阪神)の38に8打点差をつけている状況だ。

 もし岡本和が本塁打と打点を制し、2年連続の二冠王になれば、巨人の選手では王貞治以来、実に44年ぶり。強打者が多い巨人としては意外な記録ではあるが、ぜひ岡本和には長年達成されなかった快挙を期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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