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阪神・スアレスとソフトバンク・モイネロ 「最強の外国人リリーバー」はどっち?

 

相手にとって脅威の外国人リリーバー、阪神スアレス(左)、ソフトバンクモイネロ


 この投手が出てきたら打てない――相手を絶望させるほどの絶対的な安定感を誇る外国人リリーバーがいる。阪神のロベルト・スアレス、ソフトバンクのリバン・モイネロの両投手だ。スアレスは来日6年目、モイネロは来日5年目で、かつてソフトバンクでともにプレーした時期もある。優勝に不可欠な両投手。「最強の外国人リリーバー」はどちらだろうか。
※は昨年までのNPB通算成績

阪神移籍で守護神に


阪神・スアレス


・スアレス(ソフトバンク、阪神)
※通算129試合登板、6勝12敗26セーブ37ホールド、防御率3.53

 今季首位を快走する阪神の守護神として、6月1日現在、24試合登板で1勝0敗16セーブ、防御率0.38。失点を喫したのは2試合のみ。24回を投げて2失点と驚異的な安定感を誇る。5月16日の巨人戦(東京ドーム)では自己最速の162キロを計測。常時155キロを超える直球とツーシーム、チェンジアップのコンビネーションで制球力も良い。

 来日6年目を迎えるが、その道のりは決して順風満帆ではなかった。ソフトバンクに入団した来日1年目の16年は2勝6敗1セーブ26ホールドと活躍したが、17年にWBCのベネズエラ代表で登板した際に右腕に強い痛みを覚える。渡米して病院で検査を受けた結果、右肘に異常が見つかり、右肘内側側副靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けて17年は一軍登板なしに終わった。18年に戦列復帰したが思うような結果を出せず、19年も0勝4敗、防御率5.74と精彩を欠いて退団した。

 だが、20年に阪神へ移籍して覚醒する。開幕当初はセットアッパーを務めていたが、7月から藤川球児に代わって守護神に。3勝1敗25セーブ8ホールド、防御率2.24で最多セーブを獲得する。スアレスは週刊ベースボールのインタビューで、「去年のソフトバンクでは自分の投球の調子がいいときと悪いときの差がはっきりしていたので、これではいけない、という思いがありました。そこでオフに投球フォームで悪い部分を修正しました。それが実った形です」と振り返っている。今年に入り、球の質はさらにすごみを増している。30歳と脂の乗り切った年齢で、まさに今が全盛期だろう。

4年連続日本一に貢献


ソフトバンク・モイネロ


・モイネロ(ソフトバンク)
※通算193試合登板、14勝8敗6セーブ100ホールド、防御率2.48

 2017年5月に育成枠でソフトバンクに入団した左腕は「ジャパニーズドリーム」を見事に体現している。同年から救援陣に不可欠な存在として4年連続日本一に大きく貢献。モイネロの存在なくして、ソフトバンクの黄金時代は築けなかっただろう。左腕から最速158キロの直球に、「手元で消える」と打者が驚く縦割れのカーブ、ブレーキのきいたチェンジアップで三振奪取率が高い。

 19年に60試合登板で3勝1敗4セーブ34ホールド、防御率1.52、昨年も2勝3敗1セーブ38ホールド、防御率1.69で自身初の最優秀中継ぎ投手を獲得。8月6日の楽天戦(楽天生命パーク)から10月2日の日本ハム戦(PayPayドーム)にかけて21試合連続無失点とシーズンの勝負どころで見事な投球を続け、工藤公康監督は「彼を信頼して8回に使っている。彼が打たれるのは仕方ない。本当に頼りになるし、いてくれてよかった」と絶大な信頼を口にした。巨人との日本シリーズでも3試合に登板し、無安打無失点、8奪三振と完ぺきに抑え込んだ。

 今年は守護神の森唯斗が4月下旬に「左肘関節化膿性滑液包炎」で戦線離脱。「8回の男」だったモイネロが守護神を務め、20試合登板で5セーブ6ホールド、防御率0.45ときっちり役目を果たしている。キューバ代表として東京五輪米大陸予選に出場するため、交流戦を前に戦列を離れた。日本の野球ファンだけでなく、世界を震撼させる日もそう遠くはないだろう。

写真=BBM
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