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父はソフトバンク一軍コーチ。法大1年生左腕・吉鶴翔瑛が目指す「2番手」からの脱却

 

フレッシュトーナメント決勝で先発


法大の1年生左腕・吉鶴翔瑛は慶大とのフレッシュトーナメント決勝(6月3日)で先発して3回2失点。制球力に課題を残したが、ピンチの場面での粘りが光った


 東京六大学野球のフレッシュトーナメント(2年生以下)で法大が5年ぶり35度目の優勝を決めた。慶大との決勝(6月3日)で先発を任されたのは1年生左腕・吉鶴翔瑛(木更津総合高)だった。ソフトバンクの一軍バッテリーコーチ・吉鶴憲治氏(元中日ロッテ捕手)を父に持つ。

 神宮初登板。吉鶴は2点リードの3回表は制球を乱して2失点も、勝ち越しは許さず。この回で降板して、4回以降は後続投手に託した。法大は4回表に慶大に逆転を許すも、その裏に3点を挙げ、中盤以降も攻撃の手を緩めず、8回コールド勝利(11対3)を飾った。

「同点で踏ん張れたのは、収穫だと思います」

 西武巨人オリックスでNPB通算525本塁打を放った清原和博氏を父に持つ注目の1年生・清原正吾(慶應義塾高)とは、2度の対戦があった。第1打席は四球。3回表二死満塁の場面では遊ゴロに抑え、同点でしのいだ。

「慶應の打者はしぶとさがあって、決め球も簡単には振ってこない。投げづらさがあった。清原選手はネットニュースとかにも出ていたので、抑えたいと思っていました」

 吉鶴には2つのモチベーションがあった。

 このフレッシュトーナメントで着けた背番号は「21」。高校1年時、3学年上の先輩・山下輝(4年)が法大へ進学し、神宮へのあこがれを持ったという。リーグ戦で着けた尊敬する先輩の数字を背負い「山下さんのような活躍がしたい」と、今秋のドラフト候補に挙がる151キロサウスポーが身近な目標としてある。

 また、高校の同級生の存在も大きい。木更津総合高からは150キロ右腕・篠木健太郎も法大へ進学した。今回のフレッシュトーナメントにはベンチ入りしておらず、吉鶴が神宮デビューにおいて先を越す形となった。

「高校では篠木がエースで、自分は2番手。『2番手』と言われるのが嫌というか……。大学では『左右のエース』として頑張っていきたい思いが強いです」

 法大は主将・三浦銀二(福岡大大濠高)、左腕・山下の先発2本柱に、右腕・古屋敷匠眞(八戸工大一高)、左腕・平元銀次郎(広陵高)と4年生投手陣が充実している。3年生以下にも好素材はひしめくが、吉鶴も今秋にも、この輪に入っていきたいと意気込んでいる。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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