週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

吉田正尚.435、栗原陵矢.321、呉念庭.455…パ・リーグ6球団「得点圏打率No.1」は?

 

ランナーが得点圏にいる場面でこそ真価を発揮するクラッチヒッター。勝敗の行方を左右する一打が、そのバットから生まれる。パ・リーグ各チームの規定打席到達者で得点圏打率No.1の打者は果たして誰?
記録は6月4日現在

オリックス・バファローズ



 まさに大黒柱だ。昨季の首位打者・吉田正尚が今季も.348と2年連続のタイトル獲得へ好発進。さらに「この数字を上げていきたい」と話していた本塁打も12を数え、得点圏打率はリーグ2位の.435で打点は40。三冠王すら射程圏内にとらえる。打点を稼いでいる要因は前後の打者の奮闘だ。一、二番は流動的も、福田周平宗佑磨が好機を演出し、四番に定着しつつある杉本裕太郎が得点圏打率.378、12本塁打を記録し、相手バッテリーが吉田正との勝負を避けるわけにはいかなくなった。5月15日の楽天戦(ほっと神戸)では、6回に相手エース・田中将大から逆転3ラン、同30日のヤクルトとの交流戦(京セラドーム)では守護神・マクガフから8回に逆転適時打を放った勝負強き三た番打者が、これからも好調打線を支えていく。

福岡ソフトバンクホークス



 2020年のブレークは本物だった! 今季も栗原陵矢はチームに欠かせない。オープン戦こそ打率不振で不安を残したが、開幕すればさすがの勝負強さだ。打率3割前後をキープするだけでなく、得点圏打率はリーグ9位の.321とここ一番でも力を発揮できるのが栗原の魅力。昨季の経験を生かすように、大事な場面ではいつも以上の集中力で打席に入っている。打順関係なく自分のやるべきことを徹底するからこそ、しっかりと数字を残すことができている。守備でも外野(右翼、左翼)に一塁、今季からは三塁もこなす。グラシアルを故障離脱で欠く中、主砲・柳田悠岐とともに頼もしき若鷹が中軸を担い、チームを勝利に導く。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・島内宏明


 四番打者らしく、勝負強さは一級品だ。リーグ6位の得点圏打率.355はチームトップで、何よりリーグトップの45打点がその事実を示している。交流戦初戦、5月25日の巨人戦(東京ドーム)で3ランを放ち、試合には敗れたが個人としては幸先の良いスタート。6月2日のヤクルト戦(神宮)では勝ち越し打、3日の同カードでは同点適時打と、いずれも得点圏で百点満点の働きを見せ、逆転勝利に貢献している。2019年にプロ野球史上11人目の全打順本塁打を達成した島内。「四番は一番やりにくい打順」と語るが、そんな言葉とは裏腹に、勝負強さを発揮し続けている。

千葉ロッテマリーンズ



 新主将は頼もしい。中村奨吾が打撃好調を維持して、打率3割超をマーク。得点圏打率はリーグ4位の.375を記録し、三番打者として打線をけん引している。主将制度を今季から復活させた理由を「チームを引っ張ることはもちろん。(中村)奨吾自身のためにも」と井口資仁監督が今春キャンプで明かしたが、その期待に応える勝負強さだ。「これくらい(打率3割)打てる選手」と指揮官が評価する背番号8。6月1日からの中日との交流戦(バンテリン)3連戦は打線が湿り、3戦目から打順を変更も、中村奨の三番は不動。4日のDeNA戦(横浜)では3安打を放って打線を機能させて引き分けを挟んでの連敗を2で止めた。悲願のリーグ優勝へ主将がバットで引っ張る。

埼玉西武ライオンズ



 球団トップどころか、12球団No.1の成績を残しているのが呉念庭だ。得点圏では33打数15安打、21打点、打率.455をマーク。特に二塁にランナーを置いたときは9打数6安打、5打点、打率.667と驚異的な数字をたたき出している。開幕直後の3月下旬、栗山巧山川穂高が登録抹消される緊急事態に一軍昇格すると、即スタメン出場した3月31日の日本ハム戦(札幌ドーム)でプロ初本塁打。以後、スタメンの座をつかみ、一、五〜八番と、あらゆる打順を任されている打線における“ユーティリティープレーヤー”でもある。打撃での理想像は栗山。「打席の中の雰囲気がすごい。相手投手が明らかに嫌がっているので。僕もそういう雰囲気をつくることを心掛けています」と言うが、すでにそういった存在になっている。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・西川遥輝


 53試合消化した時点で打率.232。毎年3割前後を残す西川遥輝にとって本調子とは程遠い数字だが、得点圏打率.323はリーグ9位でチームトップ。昨季リーグ2位の得点圏打率.358をマークした勝負強さは健在だ。特に走者二塁では14打数7安打、打率.500と滅法強い。新型コロナウイルス陽性判定からの復帰後、5月23日の西武戦(メットライフ)では2日連続の猛打賞で4打点を挙げた。印象的なのは4月4日のロッテ戦(札幌ドーム)、0対1の8回二死二塁の場面だ。直前に自打球を当て痛みをこらえながら執念の同点適時打。「若手を僕らがもっと引っ張ってあげないといけない」。最下位に低迷するチームで主力として強い責任感を持ち勝利につながる一打にこだわっていく。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング