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「30ホールドを目指したい」。緊急事態を救った巨人の5年目左腕・大江竜聖への期待

 

6月4日の日本ハム戦、6回二死一塁で緊急登板し、この回を見事に抑えた巨人大江竜聖。ヒーローインタビューで笑顔を見せる


 6月4日の日本ハム戦(東京ドーム)で巨人のC.C.メルセデスが待望の今季初登板を果たした。昨年の10月に左ヒジの手術を受けており、今春のキャンプには不参加。リハビリを経て、ようやく一軍の舞台で勝利を飾ったが、そんな左腕の緊急事態を救ったのが大江竜聖だった。

 メルセデスは150キロ超の直球と変化球のコンビネーションで6回二死まで2安打と快投も、打席に西川遥輝を迎えたところで左太もも裏をおさえて緊急降板。のちに足がつっただけだったことが判明し、周囲を安堵させたが、このとき、困ったのはブルペンだろう。試合終盤に向けて準備こそしていただろうが、メルセデスはここまで83球、文句なしの好投を見せていただけに、急な登板指令。そんな局面で大江が完璧な投球を見せた。

 1ボール1ストライクからマウンドに立つと、西川を4球でサードゴロに。イニングをまたいで7回先頭の近藤健介もレフトフライに抑えて、3番手の桜井俊貴にバトンタッチ。日本ハムが誇る強力な左打者2人に対し仕事をさせず、「ああいうところで大江がきちっとね。2人抑えてくれたっていうのは非常に大きいです」と原辰徳監督も絶賛した。試合も大江の後を受けた桜井、鍵谷陽平、T.ビエイラと無失点リレーで6対0と完勝している。

 この試合で3連投となった大江は、これで9試合連続無失点。キャンプ中のベースランニング時に左太もも裏を痛めて帰京し、開幕はファームで迎えていた左腕だが、4月6日に一軍昇格して以降、フル回転している。ここまでチームで4番目に多い23試合登板で7ホールドとブルペンに欠くことのできない存在だ。

 サイドスロー転向1年目の昨季は対左打者へのワンポイントがメインだったが、昨年の対左被打率.171に対して、対右.167と右も苦にしなかった。現在の役割はワンポイントに限らず多岐にわたるが、これは大江自身も求めていたもの。今季のターゲットには「ワンポイントだけではなく、1イニングを任せてもらえるように、勝ちパターンで投げられるように。その上で、30ホールド」を掲げる。5年目左腕の飛躍に期待したい。

文=坂本匠 写真=BBM
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