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鈴木誠也、近本光司、柳裕也…NPBで活躍している大谷翔平と同学年の選手には誰がいる?

 

メジャー・リーグで投打二刀流として活躍するエンゼルス・大谷


 今季、目覚ましい活躍を見せているエンゼルスの大谷翔平。6月4日終了時点でリーグ3位の15本塁打、打点も40でリーグ8位と上位に位置しており、打撃タイトル獲得も夢ではない。大谷の活躍ぶりを見て、同じ世代の選手は刺激を受けていることだろう。今回は、NPBで活躍している「大谷世代の選手」を紹介する。

躍動する大谷世代の四番打者


広島、そして日本代表の主砲としても豪打を発揮している鈴木


 1994年4月2日から1995年4月1日までに生まれた、大谷と同学年の選手が「大谷世代」と呼ばれている。NPBでプレーする大谷世代の筆頭といえるのが、広島の鈴木誠也(1994年8月18日生まれ)だ。

 鈴木は大谷と同じ2013年に、二松学舎大付高から広島に入団。2年目までは二軍でのプレーが中心だったが、3年目の2015年に一軍定着を果たした。翌2016年はレギュラーとして129試合に出場。ここで打率.335、29本塁打、95打点といきなり結果を残した。2019年には、首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得。NPBトップレベルの打者へと成長した。

 鈴木と同じく、現在チームの主砲として活躍している選手では、阪神大山悠輔(1994年12月19日生まれ)が大谷世代だ。白鴎大からから2017年にドラフト1位で入団し1年目から頭角を現すものの、好不調の波が大きく、なかなか四番定着とはならなかった大山。昨季も不振から四番の座を明け渡すことも多かったが、最終的に28本塁打と活躍し、ひと皮むけた感がある。今季は背中の張りから一時離脱したが、6月3日のオリックス戦(甲子園)、4日のソフトバンク戦(同)と2試合連続で本塁打を放つなど復調気配にあり、ここからの巻き返しが期待される。

 昨季、首位打者を獲得したDeNA佐野恵太も、大山と同じように大学(明大)を経てプロの世界に入った大谷世代の選手。ドラフトでは9位と最下位指名だったが、力強い打撃を武器に評価を高め、徐々に一軍出場機会も増加。昨季はついに開幕から四番レギュラーに定着すると、得意のバッティングで打率.328をマーク。初タイトルを獲得することになった。今季も3割超の打率でランキング上位に位置しており、2年連続首位打者も期待される。

阪神には期待される大谷世代が多い


入団から2年連続盗塁王を獲得するなど阪神の一番として定着している近本


 今季は調子を落としているが、シュアなバッティングと堅実な守備が持ち味の中日京田陽太(1994年4月20日生まれ)も大谷世代の一員。2017年にドラフト2位で日大からプロに入った京田は、1年目からレギュラーに抜擢され、新人ながら141試合に出場。セ・リーグの新人では唯一の規定打席到達となり、打率.264、149安打、23盗塁の成績を残した。この活躍を受け、最優秀新人にも選出。以降は不動のレギュラーとして中日内野陣に欠かせない存在に成長した。

 2019年入団のためか大谷世代という印象はないが、阪神の近本光司(1994年11月9日生まれ)も実は大谷世代だ。1年目は142試合に出場し、セ・リーグの新人記録となる159安打をマーク。リーグトップの36盗塁で、同じ阪神の赤星憲広以来、史上2人目となる新人盗塁王に輝いた。2年目も全120試合に出場し、31盗塁で2年連続最多盗塁のタイトルを獲得。赤星の「新人からの5年連続盗塁王」の更新を期待したい。

 これからの飛躍が期待される大谷世代野手として、セ・リーグでは阪神の北條史也(1994年7月29日生まれ)、木浪聖也(1994年6月15日生まれ)、広島・西川龍馬(1994年12月10日生まれ)、巨人吉川尚輝(1995年2月8日生まれ)。パ・リーグはソフトバンク・真砂勇介(1994年5月4日生まれ)、西武山野辺翔(1994年5月24日生まれ)などが挙げられる。

大谷世代の投手も粒ぞろい


中日・柳裕也は今季、奪三振でもリーグトップを走っている


 投手でまず挙げられるのは、大谷と甲子園で投げ合い、ドラフト時に人気を分け合った阪神・藤浪晋太郎だ。高卒ながら1年目から好投を見せて新人特別賞を受賞した藤浪は、2015年には3年連続2ケタ勝利、最多奪三振のタイトルを獲得するなど名実ともに阪神のエースへと成長した。しかし、その後は急激に調子を落とし、現在も復調したとは言い難い。好調なチームをさらに上へと押し上げるためにも、完全復活が期待される。

 現在、セ・リーグで防御率トップの中日・柳裕也も大谷世代(1994年4月22日生まれ)だ。明大からドラフト1位で入団した1年目の2017年から一軍で登板機会を与えられるものの、その年はわずか1勝。2年目も2勝と、期待に応えることができなかった。しかし、3年目の2019年は開幕から好調で、前半だけで9勝をマーク。後半調子を落としたものの、最終的に自身最多の11勝を挙げた。2020年はケガの影響で6勝にとどまるも、今季は5勝1敗と調子が良く、先述のように防御率1.41でリーグトップ。初タイトル獲得となるか注目だ。

 また、DeNAの濱口遥大(1995年3月16日)、巨人の畠世周(1994年5月31日)も大谷と同世代の選手。濱口は1年目から10勝をマークし、チームのエース候補登場と注目を集めたが、以降は2ケタ勝利に届かないシーズンが続いている。畠も1年目から先発ローテーション入りして6勝を挙げたものの、濱口と同じく伸び悩んだ。どちらも今季で5年目。さらなる成長を見せてもらいたい。

 ほかには、ソフトバンク・田中正義(1994年7月19日生まれ)、ロッテ佐々木千隼(1994年6月8日生まれ)といった、ドラフト時に大きな注目を集めた大谷世代もいる。この2人はどうなのかというと、田中はここまでわずか11登板0勝1敗と一軍出場がほとんどできていない状況。今季は二軍で鋭いボールを投げてはいるが、層の厚い一軍に割って入れるかは微妙なところだ。佐々木も1年目に4勝を挙げて以降伸び悩んでいたが、今季は17試合に登板して4勝と好調。この調子を維持したいところだ。

 NPBで活躍している「大谷世代の選手」をピックアップしてみた。こうして並べてみると、特に打者で活躍している選手が多い印象だ。特に鈴木誠也、大山悠輔、佐野恵太と、チームの主砲としてプレーしている選手が3人もいるのはインパクトが大きい。ほかにもまだまだ多くの大谷世代がプロの世界にはいるが、これからどのような活躍を見せてくれるのか。今後に期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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