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週べ60周年記念

巨人の若手三羽烏の飛躍はなるか/週べ回顧1973年編

 

 3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

川上式投手王国なるか



 今回は『1973年1月22日号』。定価は100円。

 8連覇を達成した巨人最大の強化ポイントは投手力。72年は堀内恒夫が26勝したが、ほぼ一人におんぶにだっこだった。

 川上哲治監督は言う。

「投手は堀内一人という印象をあらためたい。幸い高橋一三が安定したので、今年はより一層充実するはずだ。私は全体に楽観しているんです。あとは島野、新浦、湯口。この3人がファームから上がってくるはずです。私はこの3人を楽しみにしています」
 
この3人、いわば若手三羽烏の近況が載っていた。

 まず、新浦寿夫。中尾二軍監督はこう話す。

「昨年1年でとにかくピッチングの何たるかを覚えた。カーブとフォークがよくなったので、内容に幅が出た。今度こそ一軍に行っても恥ずかしくないピッチングができるはず」
 
 新浦は68年に高校を中退し、巨人入団。1年目から肩を壊したが、71年には一軍で19試合に登板した。しかし72年は一軍0勝0敗、防御率17.18と散々。それでもシーズン終盤にかけ、徐々に調子を上げ、二軍では好投。本人も「必ず先発ローテに入ってみせます」と燃えていた。

 69年のドラフト1位、島野修は71年がイースタンで11勝4敗、72年が9勝4敗と二軍では稼ぎ頭とも言える。キンタ(金太郎に似ているからとか)のニックネームがあり、宴会では常に主役となる陽気な男。新球チェンジアップの習得で、投球の幅が広がった。

 71年のドラフト1位、湯口敏彦は、イースタンで三振と四球のヤマを築いていた左腕。中尾二軍監督は、「コントロールが悪いというけど、そんなこと構わない。球威、カーブのキレともまともにいったら一軍でもかなうものがいないものを持っているんだから」。

 前年の秋季リーグでは主力も入っていたロッテ相手に完投。有藤らが真っすぐの速さを見てびっくりしていたという。

 では、またあした。先日は所用にて休載とさせていただきました。失礼しました。

<次回に続く>

写真=BBM
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