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昨季は岡本和真が「本塁打王&打点王」過去に打撃二冠王を輩出していないチームはあるのか?

 

 2リーグ制となった1950年以降で、首位打者、最多本塁打、最多打点の三冠王になった選手はわずか6人。本塁打を放つパワーだけでなく、的確なミート力も必要なため、三冠王になるのは容易ではない。そのため、惜しくも一冠届かずに「二冠王」に終わる例は多く、過去5年のセ・リーグだけでも3人が二冠王になっている。意外と多い「打撃二冠王」だが、これまでに輩出していないチームはあるのだろうか?

打撃二冠王未輩出チームは……


昨季、巨人・岡本和が本塁打、打点の二冠王に輝いている


 1950年以降、首位打者、最多本塁打、最多打点のタイトルのうち2つを制した「打撃二冠王」は延べ79人。セ・リーグ44人、パ・リーグ35人という内訳だ。セ・リーグは王貞治が一人で12回も二冠王になっていることもあり、延べ人数にするとセパで大きな差がついている。

 続いて、現在の12球団ごとの「二冠王になった選手」を調べたところ、以下のようになった。
※前身球団を含む

●巨人
青田昇(1951年)
川上哲治(1955年)
長嶋茂雄(1958年、1961年、1963年)
王貞治(1962年、1964〜1972年、1976〜1977年)
松井秀喜(1998年、2000年、2002年)
アレックス・ラミレス(2010年)
阿部慎之助(2012年)
岡本和真(2020年)

中日
西沢道夫(1952年)
森徹(1959年)
落合博満(1990年)
大豊泰昭(1994年)
タイロン・ウッズ(2006年)
トニ・ブランコ(2009年)

DeNA
カルロス・ポンセ(1988年)
ロバート・ローズ(1999年)
トニ・ブランコ(2013年)
筒香嘉智(2016年)
ソト(2019年)

日本ハム
大下弘(1951年)
大杉勝男(1970年)
トニー・ソレイタ(1981年)
ナイジェル・ウィルソン(1998年)
小笠原道大(2006年)

オリックス
長池徳二(1969年、1973年)
加藤英司(1973年)
ブーマー・ウェルズ(1989年)
イチロー(1995年)
トロイ・ニール(1996年)

三冠王に輝いた翌05年、ソフトバンク・松中は二冠王に


●ソフトバンク
野村克也(1962〜1964年、1966〜1967年)
門田博光(1988年)
松中信彦(2005年)
アルフレド・デスパイネ(2017年)

阪神
藤村富美男(1953年)
藤本勝巳(1960年)
掛布雅之(1982年)

ヤクルト
ジャック・ハウエル(1992年)
ロベルト・ペタジーニ(2001年)
アレックス・ラミレス(2003年)

西武
中西太(1953年、1955〜1956年、1958年)
オレステス・デストラーデ(1990〜1991年)
中村剛也(2009年、2011年、2015年)

ロッテ
別当薫(1950年)
山内和弘(1960年)
レロン・リー(1977年)

広島
山本浩二(1980〜1981年)
江藤智(1995年)

楽天
山崎武司(2007年)

 現在の12球団で「打撃二冠王が未輩出」のチームはなし。2004年設立、2005年シーズンより参戦した、比較的歴史の浅い楽天も、2007年に山崎武司が打撃二冠に輝いており、これで二冠王がいないチームはゼロになったわけだ。

 また、2リーグ制となった1950年以降、合併などで消滅球団扱いになっている松竹ロビンス、近鉄バファローズも二冠王が出ている。こうして振り返ってみると、意外と「二冠王」は出やすいのかもしれない。

 6月8日現在のセ・リーグ打撃ランキングを見ると、巨人の岡本和真は本塁打が2位タイ、打点はトップを走っている。昨季もこの2部門を制して二冠王になっており、2年連続で二冠王になる可能性もある。もし2年連続で打撃二冠王になれば、巨人では王貞治以来、NPB全体では1990〜1991年のデストラーデ以来だ。ぜひとも快挙達成を期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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