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プロ野球はみだし録

90年代“最強のエース”と評された巨人の斎藤雅樹だが…オールスターのファン投票では苦戦?【プロ野球はみだし録】

 

日本シリーズにも苦戦したが……



 1990年のシーズン20勝は2年連続、最多勝と最優秀防御率の投手2冠も2年連続でMVPと、圧巻の活躍を見せた巨人の斎藤雅樹。90年代“最強のエース”とも評されるが、これは印象だけのものではない。防御率2点台5度の安定感で、2ケタ勝利も7度。最優秀防御率は2度、最多勝は3度を数える。10年間の通算防御率2.90はトップで、通算126勝もダントツの1位だ。開幕投手も6度、そのうち94年からは3年連続で完封するなど、ペナントレースでは他を圧倒した斎藤だが、苦戦したのが開幕投手と同じく通算6度の出場を誇るオールスターだった。

 ファン投票で選出されたのは1度のみと、始まる前から苦戦(?)していた斎藤。6度の出場で勝ち星ゼロ、9イニングに投げて防御率10.00と、ペナントレースとは別人のような数字を残している。

 11連続完投勝利もあった89年、そして90年と巨人のリーグ連覇では立役者といえる斎藤だが、オールスターほどではないものの、実は通算5度の出場を数える日本シリーズでも思うような結果を残せていない。通算で8試合に登板して2勝3敗、防御率5.23。「疲れです。シーズンだけで燃え尽きてしまうんですよね」と斎藤は振り返るが、シーズンの数字を見れば、この言葉には納得させられる。

 ただ、斎藤が自身のベストピッチとして振り返る2試合のうち、1試合は94年の中日との伝説的な最終戦同率優勝決定戦“10.8”だが、もう1試合は日本シリーズだ。オリックスと激突した96年の第1戦(東京ドーム)。ペナントレースでは16勝、防御率2.36で自身3度目の投手2冠となった斎藤と、奇しくも90年代だけで斎藤に続く通算118勝の星野伸之との投げ合いとなった。星野は5回途中にマウンドを降りたが、斎藤は7回表まで無失点と完璧な投球。だが、8回表に逆転を許して、降板。それでも、斎藤は「負けたけど僕の中では現役最後のベストピッチでした」という。この96年が最後の投手タイトルとなった斎藤だが、2000年のダイエー(現在のソフトバンク)との日本シリーズ第4戦(福岡ドーム)でも勝ち星を挙げて、日本一に貢献している。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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