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オリックスが9連勝で7年ぶりの単独首位。“進撃”の原動力となる宮城大弥の快投

 

勢いが止まらない! 11年ぶりに交流戦を制したオリックスが、リーグ戦再開後も引き分けを挟んだ連勝を9まで伸ばして、ついに単独首位浮上。6月20日の楽天戦(楽天生命パーク)では、19歳左腕が快投と投打で抜かりない戦いぶりを見せている。

かみ合い始めた歯車


6月20日の楽天戦、8回無失点でリーグトップタイの7勝目を挙げた宮城


 交流戦優勝でリーグ戦再開に弾みをつけ、迎えた最初のカードは楽天との首位攻防。6月18日の初戦は、エース・山本由伸の6回2失点(自責1)の力投に序盤に5得点と打線も応えて5対2で快勝。翌19日は雨天中止も、勢いが消えることはなかった。

 アウトを奪うと野手を称え、チームを鼓舞するように指をさす――。高卒2年目の左腕・宮城大弥が、20日の楽天戦で8回散発5安打と、堂々たる投球を披露する。初回先頭打者に安打を浴びるも次打者を併殺に打ち取るなど、最速146キロの直球に、最遅103キロのカーブと、緩急自在に犬鷲打線を翻ろう。凡打の山を築いて、流れを呼び込んだ。そんな19歳に「すごいですよね」と中嶋聡監督も舌を巻く。「カウントを悪くしても、四球を出しそうで出さない」。

 攻撃にリズムを与えれば、好調打線が応えるだけ。前回対戦時に完封負けを喫した相手先発・早川隆久に序盤から安打を浴びせ、6回に四球、安打、犠打で好機を作るとモヤ、ロメロの適時打などで3点を奪取。最終回は故障から復帰した守護神・平野佳寿が3人斬りで完封リレー。ついに同率首位に浮上した。

 山本、山岡泰輔ら強力先発ローテを擁しながら開幕直後は打線の援護なく、我慢しきれず勝負どころで失点しての惜敗が目立ったが、打線が復調して歯車がかみ合い、21日の楽天戦も4対3で勝利し、引き分けを挟んで10年ぶりの9連勝。首位浮上は、2014年7月以来7年ぶりと進撃を続ける。「僕は、そのときチームにいなかったので」と笑う宮城だが「これからも勝利に貢献していくだけ」と頼もしい。

 むろん、進撃は道半ば。「(シーズンは)まだ半分いっていない。そこ(首位)にくっついていけたら」と指揮官。7年ぶりの首位だけで浮かれるわけにはいかない。強力先発陣で先攻逃げ切り、リードを許しても好調打線で終盤の逆転へ――。投打で充実の戦力を武器に25年ぶりのリーグ制覇まで進撃する。

写真=井沢雄一郎
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