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中国─台湾問題がここにも? 太平洋クラブライオンズの台湾キャンプに報道陣が1社の理由/週べ回顧1973年編

 

 3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

取材は九州スポーツ1社に


今回は表紙ではなく、台湾キャンプ前の島原キャンプの写真を


 今回は『1973年3月5日号』。定価は130円。

 何かと話題の多い新生・太平洋クラブライオンズが2月5日から28日までの日程で台湾キャンプに出発した。温暖な地での調整に加え、いわゆるマスコミに対する話題づくりもあったが、次々マスコミ各社が同行取材を辞退していた。

 理由は中国問題だ。72年9月に日中国交がようやく正常化。日本中の目が中国に向き始めていた。メディアも、ここぞとばかり中国に記者を送り込んでいた時期で、対立する台湾に渡り、大々的に報道することで、せっかく“仲直り”をした中国を刺激してしまうのでは、という危惧からだった。

 まず一般紙の朝日、毎日、読売、西日本があきらめ、報知、西スポ、福スポ、デイリーらも中止を決めた。朝日をはじめ、ほとんどの一般紙は中国に記者を駐在させており、それらの記者が中国から締め出されてはかなわんという判断だった。どの新聞社も一度はそういう苦い経験をしているとあった。

 最後は九州スポーツとスポニチが台湾行きを強行と伝えられたが、毎日系列のスポニチも直前になって中止を決め、九州スポーツの一社取材となった。

 太平洋・中村オーナーは「台湾行きで派手にライオンズのPRをしてもらおうと思っていたんですがね」とこぼしていた。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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