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“内野の司令塔”セカンドは機能しているか? セ・リーグ6球団「二塁手」事情

 

サインプレーや中継プレーに絡む機会が多く、打球に対しての瞬時の対応など身体能力の高さだけでなく、判断力が求められる。内野守備で「最も技術が必要」とされているポジションが二塁手だが各球団、しっかり機能しているのか。セ・リーグ6球団の「二塁手事情」を見ていく。
記録は6月25日現在

読売ジャイアンツ



 6月10日のオリックス戦(京セラドーム)で死球を受けて左手中指末節骨骨折、左手中指爪根脱臼により翌11日に離脱するまで、吉川尚輝が33試合に先発出場してレギュラーの座をほぼ手中に収めていた。打っても今季はここまで打率.312、3本塁打、10打点と特に交流戦で調子を上げていただけに、チームにとっては大きな痛手と言える。吉川以外では若林晃弘が17試合出場で廣岡大志増田大輝が5試合だが、直近では22日に地元・金沢でのDeNA戦で2安打1本塁打3打点の活躍を見せた北村拓己。二塁で先発した6試合では.400の高打率を残しており、ポジション奪取にアピールを続けている。

阪神タイガース



 首位を快走するチームの立役者と言っても過言ではないだろう。開幕から「二番・二塁」として当時不振だった一番の近本光司をサポートした糸原健斗。バントをしない二番としてつなぎの打撃でクリーンアップへとつないだ。5月中旬から6月初旬まで下肢のコンディション不良で登録抹消されていたが、6月11日の楽天戦(楽天生命パーク)から復帰。以降は七番に座るが、しぶとい打撃でチームを支えている。守備では6月25日のDeNA戦(甲子園)で初回先頭の桑原将志の打球を後逸。先制2ランに結びつくミスを犯した。ここまで4失策だが奮起していきたい。

東京ヤクルトスワローズ



 ヤクルトは山田哲人が絶対的存在として君臨している。ここまで打率.273はまだまだ本領発揮とは言えないものの、18本塁打、47打点はリーグ上位を争う数字。主将として臨む今季は、背中とバットでチームをけん引している。昨季、山田が抹消された際には宮本丈が代わって存在感を示したが、それでも打てる、飛ばせる、走れるトリプルスリーを3度達成した男の壁は高い。東京五輪日本代表にも内定しており、2019年のプレミア12などで培ってきた多くの経験を、代表として発揮してもらいたい。

中日ドラゴンズ



 開幕から二塁を守り続けてきたのは阿部寿樹だ。昨年の13本塁打&61打点は、ともにビシエドに次ぐチーム2位の成績。“打てる二塁手”として今年も期待されたが、プロ6年目はまさかの打撃不振に。それでも与田剛監督は辛抱強く起用を続けてきたが、徐々にスタメン落ちも目立つようになってきた。代役として当初は快足の高松渡が使われたが、守備力に難があり、その後は三ツ俣大樹堂上直倫溝脇隼人らが守っている。ただ問題なのは遊撃レギュラーの京田陽太も同じく打撃不振で、こちらは二軍調整中という状況。阿部まで二軍には落とせず、堂上が遊撃に固定されつつある現在は、相手投手との相性も考えながら阿部を中心に三ツ俣、溝脇で回している。

広島東洋カープ



 新型コロナ感染による欠場や休養などで、安部友裕羽月隆太郎に計8試合スタメンを譲ったことはあるが、ここまで58試合に先発出場。カープのセカンドは、やはり菊池涼介の独壇場だ。昨季、シーズンをノーエラーで完走した守備力は健在で、連続無失策こそ4月2日のDeNA戦(横浜)で「569」で途切れたが、今季の失策もその1つのみ。守りの安心感は、やはり他の選手が守ったときとは段違いだ。打率でもリーグ上位につけており、チームには欠かせない存在。ただその菊池涼も今季で31歳、チームの長期的展望を考えれば育成もしておきたいが、次世代で期待がかかる羽月隆太郎は、チーム事情から今季は外野での起用が多くなっている。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・牧秀悟


 一塁を守る予定だったソトの来日が遅れたこともあり、開幕直後は新人・牧秀悟が一塁に入り、柴田竜拓田中俊太が二塁に就いた。助っ人合流後は、一塁がソト、二塁は牧で固定。牧はもともと大学時代から二塁が本職だっただけにシーズン中のコンバートにも高い対応力で“要職”をこなし、ここまで二塁でチーム最多の48試合でスタメン出場。交流戦明けに牧は腰の張りを訴え、4試合連続でスタメンを外れた。6月23日の巨人戦(富山)で復帰したが、不調のソトに代わって一塁を守り、二塁は柴田が務めた。今後も攻撃との兼ね合いで、二塁を守る顔ぶれは変わってくると予想される。

写真=BBM
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