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週べ60周年記念

キャンプで頭角を現した秘密兵器たち/週べ回顧1973年編

 

 3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

サイドでフォーク武器の小川邦和


表紙は近鉄・仲根正広


 今回は『1973年3月19日号』。定価は100円。

 キャンプ終盤の時期、各チームの秘密兵器をピックアップした記事があった。

 まずは巨人小川邦和。72年入団テストを受け、73年ドラフト7位で巨人入団したサイドハンドだ。

 ただ、決して雑草というわけではない。尾道商高ではセンバツの準優勝投手、早大では10勝、日本鋼管時代も補強選手ながら都市対抗出場を果たしている。

 身長172センチと上背がなく、サイドハンドの変則というのもプロの評価ではネガティブに判断されたのかもしれない。

 キャンプでは順調な調整を見せ、2月26日のレギュラーバッティングで登板した際、「さあ、ウチの現時点のエースですよ」と首脳陣から声がかかった。打席に立ちたがらないベテランも多く、長嶋茂雄も「寒いし、手がしびれるからやめておこう」と言っていた。

 武器は切れのある真っすぐに加え、球種豊富な変化球。淡河弘捕手も「サイドでフォークを投げる投手は初めて見た。シュートも武器になるでしょう。あれなら打たれっこない」と絶賛していた。

 度胸満点の個性派と評判だったが、これは沢田スカウトのこんな入れ知恵もあったらしい。

「記者とはあまり話すな。なんと言われても変わり者でいけ!」
 

 阪急では山田久志が「ブルペンで並んで投げるとみじめになる」と言った今井雄太郎の評判が上がっていた。新潟鉄道管理局からドラフト2位で71年阪急入団。昨季終盤、一軍に定着し、球質が重く、球が速いと言われた。だがピンチになると平静さを欠き、力む傾向があるらしい。

 おそらくまだ、あれは口にしていなかったのだろう。

 では、またあした。

<次回に続く>
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