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最も抑えるのが難しい外国人打者 DeNA・オースティンに「三冠王を狙える」の声が

 

「今まで見てきた中で一番のインパクト」



 今、NPBで最も抑えるのが難しい外国人打者の1人がDeNAのオースティンだろう。

 同一カード3連勝を飾った25日からの阪神3連戦(甲子園)では13打数6安打、打率.462、2本塁打、5打点の大暴れ。一打の内容も濃い。25日の同戦で西勇輝から広い甲子園で逆風を切り裂く先制の16号2ランを放つと、6回も一死一、二塁の好機で右前適時打。3打点でチームの全得点を叩き出した。27日の3戦目も秋山拓巳から初回にバックスクリーンへ運ぶ17号先制2ラン。29日の中日戦(神宮)は新型コロナウイルスワクチンの副反応で欠場したが、翌日の同カードで復帰すると4安打2打点。新型コロナウイルスの影響で今季は3月26日の開幕に間に合わず、初出場は4月13日のヤクルト戦(神宮)だったにもかかわらず、打率.348はリーグトップ。17本塁打、44打点と交流戦前から座っている四番にふさわしい活躍を見せている。

 他球団のスコアラーはオースティンを抑える難しさをこう話す。

「スイングが鋭く能力が高いことは間違いないが、頭のいい打者で弱点がない。前の打席で仕留めたコースの球も次の打席できっちり修正してくる。あとは広角に長打を打てるところですね。強引に引っ張らず、バットが内側から出てくるので外角一辺倒の配球だと右翼方向に長打を食らう。得点圏(打率.380)にも強い。外国人の中では現在No.1の強打者ではないでしょうか。打点は岡本和真が66で断トツですが、DeNAは出塁できる選手がそろっているので、オースティンに好機で回ってくる打席が多い。これから打点もどんどん稼ぐだろうし、三冠王も十分に狙えると思います」

 メジャー4年間で33本塁打をマークし、DeNAに入団。NPBの複数球団が獲得に関心を寄せた逸材は、現役時代にNPBで外国人史上初の2000安打をマークしたアレックス・ラミレス前監督が「今まで見てきた外国人選手の中で一番のインパクト」と絶賛するほどだった。

 能力は文句ない。だが。1年目の昨年は度重なる故障に泣かされた。7月に右手人さし指を痛めて2週間の戦線離脱。復帰してわずか1週間後に甲子園で右翼の守備でフェンスに激突し、脳しんとう、むち打ちと診断された。再び離脱して一軍に戻ってきたのは約1カ月半後の9月12日。65試合の出場にとどまったが、打率.286、20本塁打、56打点の好成績をマークした。シーズン143試合に換算すれば44本塁打、123打点のペースでタイトル獲得にも結びつく。全力プレーの代償としてやむを得ない部分はあるが、戦線離脱しないことがオースティンの重要なテーマになるだろう。

ローズに匹敵する活躍も


マシンガン打線で四番を担ったローズ


 まだ29歳と若いのも大きな魅力だ。背番号「23」は、「横浜史上最高の助っ人」と形容されるロバート・ローズと同じ。ローズは来日1年目に打率.325、19打点、94打点で打点王を獲得。その後も「マシンガン打線」の四番として、98年に38年ぶりのリーグ優勝に貢献した。99年には打率.369、37本塁打、153打点で首位打者、打点王を獲得。日本でプレーした8年のうち7シーズンで打率3割をマークするなど確実性と長打力を兼ね備えた強打者だった。二塁の守備も正確なスナップスローで、遊撃・石井琢朗(巨人一軍野手総合コーチ)とのコンビネーションで併殺を取る身のこなしは芸術の域だった。

 オースティンもコンディションが万全なら、ローズに匹敵する活躍を見せる可能性は十分にある。6月11日の日本ハム戦(札幌ドーム)で、金子弌大から弾丸ライナーで左翼ポール際へ運ぶ13号2ランで、セ・リーグ5球団に加え、パ・リーグ6球団からもアーチを架けた。1シーズンで11球団を制覇したのは19年のヤクルト・山田哲人以来で、球団史上初。出場47試合で成し遂げてみせた。チームの上位浮上に向け、今後も必要不可欠な存在だ。

写真=BBM

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