週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

高山俊、桜井俊貴らが1位指名されたが…セ・リーグ6球団「2015年ドラフト指名組」の出世頭は?

 

2015年のドラフトでは1位で高山俊阪神桜井俊貴巨人に指名されて入団した。この年の指名選手は今年で6年目を迎えるが、“出世頭”と言える選手は果たして誰か? セ・リーグ6球団の「2015年ドラフト指名組」の現状を見ていこう。
記録は7月2日現在

読売ジャイアンツ


巨人・中川皓太


 入団当時の背番号は「91」。ドラフト7位という指名順位を見ても、その出世具合がよく分かる。現在は左肋骨骨折のため、故障が癒えるのを待っているが、「2015年ドラフト指名組」(1位=桜井俊貴、2位=重信慎之介)で、誰よりも一軍でのキャリアを稼ぎ、チームに貢献しているのがリリーフエースに成長した中川皓太だ。入団当初は先発を希望しており、67試合(すべてリリーフ)に登板、4勝16セーブ17ホールドを挙げた19年時点でも「ゆくゆくは先発を……」と話していたが、もはやブルペンに欠くことのできない存在だ。19年秋のプレミア12で世界一を経験し、間もなく開幕の東京2020オリンピックの日本代表にも内定していた。骨折による辞退は残念だったが、復帰後はリーグ3連覇を目指すチームで再び重要な役割を担うことになる。

阪神タイガース


阪神・青柳晃洋


「2015年ドラフト指名組」で阪神のルーキーで最も注目されたのは1位の高山俊だった。実際に1年目、当時の球団新人安打記録となる136安打を放ち新人王を獲得した。しかし、その後は打撃不振などが続き出番を減らし、今季はいまだ一軍出場なし。一方、5位で入団したのはサイドハンド右腕の青柳晃洋だが、今では先発ローテーションの軸となり、東京五輪日本代表にも選出された。今季は12試合に登板し、7勝2敗で防御率はリーグトップの2.02。10試合でクオリティースタートを達成するなど抜群の安定感を誇っており、今では強力阪神先発陣には欠かせない存在へと登り詰めている。

東京ヤクルトスワローズ



「2015年ドラフト指名組」でヤクルトの一番の出世頭は、5位の山崎晃大朗か。昨季はキャリアハイの109試合に出場し、今は代走や守備固めが中心とはいえ、4月に青木宣親らが新型コロナの影響で離脱した際は、粘り強い打撃で一番打者の役割を果たしていた。社会人を経て2年後に入団した同い年の塩見泰隆から、ポジションを奪い返したい。2位の廣岡大志は今年3月に巨人へトレード移籍し、4位の日隈ジュリアスは育成契約を経てすでに退団している。3位の高橋奎二は今季ここまで2勝をマーク。6位の渡邉大樹も現在は代走や守備固めで出番を増やしつつあるが、レギュラー獲得へはもう少し時間がかかりそうだ。1位の原樹理は今季、一軍登板はないが、7月1日のイースタン・楽天戦(森林どり泉)で1失点完投と復活の兆し。ここからの挽回に、大いに期待したい。

中日ドラゴンズ



 2015年のドラフトで支配下6人、育成6人の計12選手を獲得。すでに育成4人は退団となっているが、残り8人の中での出世頭と言えば、やはり1位の小笠原慎之介だろう。その年の夏の甲子園V投手は1年目から2勝を挙げ、2年目は5勝、そして3年目には球団最年少となる開幕投手を任されるまで成長した。左ヒジ、左肩の故障、手術もあり、近年は低迷していたが、復活を期したプロ6年目の今年は開幕から先発ローテーションを守り、5勝と再び大きな存在感を見せている。3位の木下拓哉は昨年後半から正捕手として活躍中。4位の福敬登も一度は育成契約となったものの、再び這い上がり、昨年は最優秀中継ぎのタイトルを獲得している。

広島東洋カープ



 広島では「2015年のドラフト指名組」で岡田明丈横山弘樹高橋樹也船越涼太、西川龍馬、仲尾次オスカル青木陸の7人が指名された。現状では出世頭はドラフト5位の西川だ。持ち前の天才的な打撃を武器に、19年から外野に転向してレギュラーとなり、ときには四番を務めるまでになった。ただ、西川の獲得は大収穫だったとはいえ、6年目でチームに残っている現役が早くも3人のみというのは、総合的には成功の部類には入れられないだろう。3位の高橋樹は、今季はここまで防御率1.96と奮闘しているが、通算ではここまで勝利なし、1位の岡田明丈は3年目までに通算24勝も、ここ2年は低空飛行を続けており、厳しい状況が続いている。

横浜DeNAベイスターズ



 3位で柴田竜拓、4位で戸柱恭孝らが指名された2015年ドラフト。出世頭はやはり戸柱と3つ年下であり、駒大時代にはバッテリーを組んだ経験のある1位の今永昇太だろう。ルーキーイヤーに8勝をマーク。2年目はチームの勝ち頭となる2ケタ勝利(11勝)をマークして、クライマックスシリーズと日本シリーズでも“奮投”を披露した。だが、2019年に自己最多の13勝を挙げるも、20年10月に左肩手術。リハビリを経て、今年5月に一軍で復帰登板を果たした。6月13日の日本ハム戦(札幌ドーム)で309日ぶりの白星を手にしているが、ここから再び“出世街道”を歩んでいく。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング