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リードオフマン桑原将志が絶好調のDeNA打線に、他球団から「最も怖い」と警戒の声が

 

「勢いづくと止められない」


一番として好調な打撃を見せる桑原


 目下5連勝中と上昇カーブを描いているのがDeNAだ。6月下旬に敵地・甲子園で首位を走る阪神に同一カード3連勝を飾ると、中日にも2連勝。まだ借金が12あるが、6月を良い形で終えて7月に入った。

 3、4月は6勝21敗4分けと大きく負け越して最下位に沈んだが、5月は9勝10敗3分け、6月は12勝8敗2分けと上向いている。好調の要因は打線だ。6月は月間打率.302でチーム得点の110はリーグトップ。他球団のスコアラーはこう分析する。

「一番の桑原が好調なので打線がつながる。佐野恵太オースティンソト宮崎敏郎牧秀悟と中軸はミート能力の高い打者がそろっているので、一度勢いづくとなかなか止められず大量失点の危険性がある。今最も怖い打線だと思います」

 2018、19年の本塁打王・ソト、昨年65試合出場で20本塁打を放ったオースティン、昨年の首位打者・佐野、17年の首位打者・宮崎と強打者が並ぶが、チャンスメークする一番打者を固定できないのが悩みだった。

 昨オフに梶谷隆幸がFAで巨人に移籍。中堅は関根大気神里和毅と定位置争いが繰り広げられる中、かつてレギュラーだった桑原将志が意地を見せている。16年に打率.284、11本塁打、49打点、19盗塁と活躍し、翌17年は全143試合出場で打率.269、13本塁打、52打点、10盗塁とリードオフマンとして輝きを見せたが、19年は打撃不振で72試合出場、打率.186、2本塁打、7打点、2盗塁。中堅の定位置を失うと昨年も34試合出場、打率.139、1本塁打、2打点、0盗塁と精彩を欠き、ファーム暮らしが長くなった。

 このままでは終われない。今季は「一番・中堅」で開幕からスタメン出場。春先は先発から外れる時期もあり、5月12日の巨人戦(横浜)では同点の9回二死で内野フライを打ち上げると全力疾走せず、相手の思わぬ落球で二塁に進めなかった。三浦大輔監督は「あそこは全力疾走しないといけないところ」と猛省を促していたが、次の試合でも桑原を「一番・中堅」で起用した。信頼を取り戻すためにも結果を出さなければいけない。6月は不動の一番で月間打率.372、4本塁打、12打点、2盗塁と絶好調。29日の中日戦(神宮)では、相手エース・大野雄大から初回に中前打、4回に右越え二塁打を放ち、同点の5回二死三塁に決勝打の左前適時打。大野には今季11打数8安打、打率.727と抜群の相性を誇る。猛打賞の活躍で勝利に大きく貢献した。

カギを握るのは巨人戦


四番・オースティンも力強い打撃で打線をけん引する


 三浦監督の打線のテコ入れも功を奏している。開幕当初は昨年同様に佐野が四番だったが、チャンスでブレーキになる場面が目立ったため、5月中旬から三番に打順を変更。桑原、佐野がチャンスを作り、四番に据えたオースティンが走者をかえすパターンで点が取れている。6月は月間打率.406、9本塁打、25打点と打ちまくった。好機に強く、長打も打てる。オースティンを歩かせても宮崎、ソト、牧が後続に控えているため相手投手は息が抜けない。

 今後の巻き返しへ、カギを握るのが巨人戦だ。今季は10試合対戦して0勝7敗3分けと苦戦している。打線の破壊力は決して見劣りしないだけに、投手陣がどこまで持ちこたえられるか。まだペナントレースは折り返し地点。他球団を脅かす逆襲はこれからだ。

写真=BBM
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