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外野争いは熾烈だが…広島・野間峻祥に他球団007「能力を考えれば打率3割、20盗塁はできる選手」

 

4年目にブレークするも……


6月30日の巨人戦(東京ドーム)では山口のノーヒットノーランの夢を打ち砕く一発を放った野間


 最下位に低迷する広島だが、小園海斗林晃汰中村奨成宇草孔基羽月隆太郎と若手の成長株たちが一軍で台頭している。その中で、意地を見せているのがプロ7年目の28歳、野間峻祥だ。

 今年は開幕二軍スタートだったが、5月18日に一軍昇格。6月以降は中堅でスタメン出場の機会が増え、6月30日の巨人戦(東京ドーム)ではノーヒットノーランに抑えられていた山口俊から8回一死の場面で149キロの直球を振り抜き、1号右越えソロ。値千金の一撃が決勝アーチになった。

 他球団のスコアラーは「足が速くて強肩、打撃もパンチ力がある。身体能力を考えれば、打率3割、15本塁打、20盗塁をマークできるし、バリバリのレギュラーとして活躍していても不思議でない選手です」と高く評価する。

 野間がブレークしたのはプロ4年目の18年。丸佳浩が負傷離脱した際に中堅を守るなど初の規定打席に到達して打率.286、5本塁打、46打点、17盗塁をマーク。シーズン終盤は打撃不振の田中広輔に代わって一番打者を務め、リーグ3連覇に大きく貢献した。丸が同年オフに巨人にFA移籍したため後継者として期待されたが、19年は123試合出場で打率.248、2本塁打、16打点、14盗塁と成績を落とし、昨年は70試合出場と徐々に出場機会を減らす。結果を出さなければいけないという焦りから打撃フォームに迷いが生じ、思い切りの良さが影を潜めていた。

 広島OBで16年からのリーグ3連覇に大きく貢献した野球評論家の新井貴浩氏は、昨年3月に週刊ベースボールのコラムで、野間について次のように語っている。

「2015年にドラフト1位で入ってきて、ファンの皆さんからの期待も大きい。私自身、初めて彼を見たときに『すごいポテンシャルの高い選手だな』と思いました。走る姿を見て、そのスピードに、まずはびっくり。バッティングに関しても、しっかり飛ばす力もあると感じていました。ただ、ここ数年は少し『こじんまりし過ぎて、もったいないな』という印象を持っていたのも事実です。彼にはホームランを15〜20本くらい打つ力があると思っています。足が速いからと言って、当てにいくようなバッティングはしてほしくない。もっと大きく構えてゆったりタイミングを取って、強いライナーを右中間、左中間へはじき返す。その打ち損じが時に内野安打になっていくようなイメージです」

外野争いを勝ち抜けるか


 さらに「もともとはそういうバッティングだったんですが、結果が出ないことで、だんだんと小さくなっていってしまったのでしょう。野間自身、カベに当たって苦しんでいるのは感じていたでしょうし、私としては、あとは本人がどう感じて、どういうふうに周りのアドバイスを聞きながら、消化しながらやっていくのかなと思って見守っていました」と続けた。

 外野の定位置争いは熾烈だ。公私で仲が良い鈴木誠也西川龍馬はレギュラーを確保し、残りの1枠を宇草、羽月、長野久義松山竜平らと競う。若手やベテランがひしめく中、野間にも意地がある。年齢を考えれば、ここから脂が乗り切る時期だ。中堅の定位置をつかめるか。毎日の1打席1打席が重要になる。

写真=BBM
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