西武の
平良海馬が、6月1日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)で39試合連続無失点のプロ野球記録を樹立した。これまでは2006年に
阪神の
藤川球児が記録した38試合連続無失点がNPB記録。「今後破られることはあるのか」という大記録であったが、プロ4年目の若武者が見事に記録を塗り替えた。注目は連続無失点がどこまで続くのかだが、平良のようなNPB記録でなくとも、連続記録を継続している選手はほかにもいる。今回は、そうした「連続記録継続中の現役選手」をピックアップしてみた。
シーズン3割を5年連続継続中の鈴木
シーズン3割は大打者であってもそう簡単に到達できるものではなく、特に何年も連続して続けるのは至難の業だ。そんな打率3割だが、現役で最も長く3割を継続し続けているのが広島の鈴木誠也。現在、2016年から5年連続で3割を打っており、5年連続は広島では最長記録となる。ただし、今季は7月3日終了時点で打率.294と3割を切っている。まだシーズンは長いためどうなるか分からないが、さらに記録を伸ばしてもらいたいところだ。
鈴木に続くのが、
オリックスの
吉田正尚と
日本ハムの
近藤健介でともに3年連続。特に吉田正は今季も打率ランキングトップに立っており、4年連続で3割記録の可能性は高い。一方の近藤は打率.281でリーグ9位と微妙なポジションだ。セ・リーグでは鈴木以外で3割継続中なのが
中日の
大島洋平。こちらは現在2年連続となっている。
また、浅村はシーズン30本塁打以上を3年連続で継続中。特に昨季は短縮シーズンながら32本塁打を放ち、自身初の本塁打王にも輝いた。同じく3年連続で30本以上を打っているのが
巨人の
岡本和真。浅村と同様に昨季は31本塁打で初の最多本塁打のタイトルを獲得した。「本塁打20本以上」で見た場合は、3割継続中の鈴木誠也と、巨人の
丸佳浩の5年連続が現役では最長だ。
出場・先発登板の連続記録は?
連続記録でよく挙がるのが「出場」に関する記録だ。例えば、「全試合出場」の連続記録は17年連続で、「連続試合出場」は2215試合が歴代最多。ともに元広島の
衣笠祥雄による記録だ。現役選手で見た場合は、
楽天の
浅村栄斗が2016年から5年連続で全試合出場を続けており、連続試合出場も812試合(2015年8月8日〜7月1日終了時点まで)で現役トップだ。それ以外では、オリックスの吉田正、
ロッテの
中村奨吾が2018年から3年連続フル出場中となっている。
野手ではなく投手では「連続先発登板」という記録がある。歴代最多は南海や阪神でプレーした
山内新一の311試合連続だが、これに次ぐのがヤクルトの石川雅規。現在までに歴代2位となる295試合連続で先発登板しており、今なお更新中。山内の記録を抜く日も近い。さらに、石川は入団から「20年連続で勝利」を挙げており、これも現役ではトップ。入団から出歴代最長は元阪急ほかの
米田哲也の22年で、これも射程圏内だといえる。
投手の連続登板記録では、日本ハム・
宮西尚生もとんでもない記録を継続している。そもそもホールドとホールドポイントのNPB記録保持者というNPB史に残る記録を持つ選手ではあるが、実は13年連続で50試合以上登板というNPB2位の記録や、デビューから755試合連続で救援登板という記録を持つ。当然ながらどちらも継続中。今後さらに記録を伸ばしてくれるだろう。
広島・菊池の持つゴールデン・グラブ連続受賞記録
連続記録では、広島・菊池涼介の「ゴールデン・グラブ連続受賞」も忘れてはならない。4月2日の
DeNA戦(横浜)で、継続中だった連続守備機会無失策記録が569でストップしてしまったが、ゴールデン・グラブ賞は現在まで8年連続で受賞中。過去最長は
福本豊の12年連続だが、二塁手としての連続受賞は菊池が歴代最長だ。
菊池はほかにもプロ1年目から9年連続で10犠打以上という珍しい記録(やや強引だが)も継続中。今季はまだ犠打1と厳しい状況だが、10年連続となるか、こちらにも注目してもらいたい。
すでに歴代最長の連続記録を打ち立てている選手もいるが、例えば「全試合出場」や「連続試合出場」は、歴代1位の背中はまだまだ遠い。とはいえ、この調子で連続記録を伸ばしていけば、もしかすると記録を更新する日が来るかもしれない。まだ先の話だろうが、現在プレーする選手が歴代最多・最長の記録を打ち立てる日を楽しみに待ちたい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM