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仁志敏久、新庄剛志、田口壮…活躍したものの打率3割を一度も記録していない選手は?

 


 打率3割は優秀な選手を示す指針のひとつだ。そのため、3割到達にこだわる選手も多い。しかし、過去には目立った活躍を見せたものの、生涯一度もシーズン3割を記録することができなかった選手もいる。今回は、そうした「3割を一度も記録していない選手」をピックアップしてみた。

2000安打プレーヤーにも3割未達の選手がいる


 古いところでは、巨人V9時代に不動のリードオフマンとして活躍した柴田勲が挙げられる。セ・リーグ最多となる6度の盗塁王、NPB歴代3位となる579盗塁と快足を武器に活躍し、バットでも2000安打(通算2018安打)を達成。NPB史に名を残す名選手だが、シーズン打率は1972年の.293が自己最高で、現役20年間で一度も打率3割に到達することはできなかった。


 2000安打を記録した選手で3割未達は柴田以外にもう一人いる。それが田中幸雄だ。日本ハム一筋で22年。ミスター・ファイターズとも称された強打の遊撃手で、1995年には最多打点のタイトルを獲得。20本塁打以上も6度記録している。しかし、シーズン打率は打点王となった1995年の.291がキャリアハイ。柴田と同じく、3割到達を経験していない名球会入り選手となる。

 現役22年間を西武で過ごし、黄金時代の立役者でもある伊東勤も3割を打ったことは一度もない。強打者ではなかったが、大事な場面では勝負強い打撃を披露し、シーズン2ケタ本塁打も5年連続を含む7度記録した。当時の強力西武打線の一角であったことから、3割を打ったことがありそうだが、1984年の.284が最高(規定打席到達年)だった。

チームの主力だった3選手も実は3割を打ったことはない


 シーズン3割を打ったことがないと聞いて驚くのが、仁志敏久、田口壮新庄剛志の3人だろう。仁志は1996年に新人王に輝くと、長嶋茂雄監督時代は不動の二塁手として活躍。2000年にはシーズン20本塁打を記録するなど、ここぞという場面での一発も期待できる二番打者だった。しかし、打率は2000年の.298が自己最高(惜しくも3割届かず)。以降は2003年に首位打者争いを繰り広げるもケガで失速するなど、結局3割を記録することはできなかった。

 田口壮も、規定打席未到達の年だと3割を記録したことがあったが、到達年のキャリアハイは.294。1990年代のオリックス黄金期には、イチローと並んで上位打線を形成したため、3割を打っていそうなイメージはあるが、実は記録したことはないのだ。2002年からは活躍の場をアメリカに移したが、メジャーでの8年間でも3割を打ったことはない。

阪神・新庄剛志


 敬遠球を打ってサヨナラ、オールスターでのホームスチールなど、球史に残る活躍を見せた新庄剛志。打率は日本ハム時代の2004年に記録した.298がキャリアハイだ。チームの主軸として孤軍奮闘した阪神時代に3割を打っていてもおかしくないが、阪神では届いていない。通算成績で見ても、打率は.254とそこまで高くないが、それでも「すごかった選手」としてファンの記録に残っている。さすが「記録より記憶に残る男」である。

 目立った活躍を見せている現役選手で3割未達の選手を紹介した。現役では西武の中村剛也がこれに該当する。長距離砲は打率が低くなる傾向にあるが、それでも7月4日現在、現役11位の1579安打を放っていることもあり、3割を打ったことはありそうに思える。しかし、ここまでの自己最高は2019年の.286。このままだと、今回紹介したような「活躍したものの3割を一度も記録していない選手」の仲間入りする可能性もある。果たして3割を記録することはあるのか、中村の今後のバッティングにも注目してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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