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【リリーフ採点】巨人85点、阪神70点、中日80点…セ・リーグ6球団「リリーフ投手」の評価は?

 

チームを勝利へとつないでいくリリーフ陣。ここが盤石でなければ勝利もおぼつかない。果たして、重要な役割であるこのポジションはしっかりと機能しているのか。セ・リーグ6球団のリリーフ陣を100点満点で採点した。
※記録は7月5日現在

読売ジャイアンツ



巨人 85点

 中川皓太の左ろっ骨骨折による離脱は残念だったが、その中川を含めて77試合終了時点で5投手が30試合以上登板と奮闘している。今季のチーム完投数はわずかに3。首位・阪神に1.5ゲーム差と迫る中で、いかにリリーフ陣の踏ん張りが大きかったかが分かるだろう。ホールド数チームトップは中川と高梨雄平の15。鍵谷陽平の13、大江竜聖の10と続く。クローザーはR.デラロサが故障や一時帰国などあったため、現在は最速164キロ右腕のT.ビエイラが務め、オールスター前の首位奪取をうかがう。

阪神タイガース


阪神・スアレス


阪神 70点

 チーム防御率3.25はリーグNo.1ではあるが……。リリーフ陣の防御率だけだと4.13とはね上がる。今季の首位の原動力の1つは先発陣が長くイニングを投げ踏ん張っているから。クローザーのスアレスが防御率1.65で23セーブと驚異的な数字を残しており、9回まで回せばほぼ失敗なく抑えてくれるという安心感があることも、首位に立っている要因の一つだ。ただ、先発が降板してから9回につなぐまでの勝利の方程式が崩れているのが現状。セットアッパーの岩崎優が蓄積疲労で離脱した時期もあった。また代わりとして期待された藤浪晋太郎も輝けず、7回を任されるはずだった岩貞祐太も防御率4.18と苦しい状況。東京五輪でのリーグ中断期間にもう一度、7、8回を任せられる投手をつくり上げたいところだ。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト 50点

 リリーフ防御率は3.24と、それなりの安定感はあるが、クローザーの石山泰稚が調子を崩して二軍調整中な上、開幕序盤に圧倒的な投球を見せた近藤弘樹が故障離脱。ブルペンは万全の状態ではない。そんな中で、石山の代役クローザーを務めるマクガフ今野龍太、ロングもこなす大西広樹星知弥らが奮闘を見せている。ただ昨季の最優秀中継ぎ投手である清水昇が、初勝利を含むリーグトップの26ホールドポイントを挙げてはいるものの、7月4日の中日戦(バンテリン)ではビシエドに同点2ランを浴びて石川雅規の白星を消してしまった。清水は38試合登板もリーグトップで勤続疲労は否めないが、この背番号17の踏ん張りが、後半戦のカギを握るだろう。

中日ドラゴンズ


中日・又吉克樹


中日 80点

 投高打低のチームにおいて投手陣、特にリリーフ陣の活躍には目を見張るものがある。絶対的守護神のR.マルティネスがコロナ禍で開幕から不在の際は祖父江大輔が、キューバ代表として東京五輪予選を戦うために離日した際は又吉克樹が代役を務め、大きな穴を感じさせなかった。祖父江、又吉のほか、右では谷元圭介藤嶋健人、左では福敬登橋本侑樹が開幕から中継ぎとして奮投し続けている。今後はようやくR.マルティネスが抑えに固定できることもあり、7回を谷元、福、8回を又吉、祖父江という勝利の方程式が確立できそうだ。ロースコアの僅差で逃げ切るのが中日の勝ちパターン。そのためにもリリーフ陣の出来は大きなポイントとなる。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA 65点

 本来なら勝ちパターンの一角を担うはずだった石田健大の不調という誤算はあったものの、シーズンが進むにつれて、ようやく勝ちパターンが定まってきた。7回エスコバー、8回山崎康晃、9回三嶋一輝というリレーだ。ほかにも、前半戦の苦しい場面を左腕の砂田毅樹が何度もチームを救い、ここ数戦はシャッケルフォード櫻井周斗も安定し始めた。近年は先発が早いイニングで降板する試合が多く、ブルペンにかかる負担は増すばかり。そんな中、リリーフ陣は奮闘しているといえるが、リリーフ防御率3.86はリーグ5位(中継ぎ防御率4.42)。それを踏まえ、採点は65点とした。

広島東洋カープ



広島 75点

 ルーキーながらクローザーに指名された栗林良吏が、開幕から22試合連続無失点と新人記録を更新し、7月4日までに1敗しただけの16セーブとしっかり抑えを務めており、「勝利の方程式」の最後は完全に確立された。ただ、8回を担っていた塹江敦哉は6月に入って調子を落とし、栗林にバトンをつなげないケースがしばしばあってファーム落ち、さらに7回も、さまざまな投手が担ったが今ひとつ固定できない状況だった。それでもここにきて、昨年までのクローザーのフランスアが右ヒザ手術を経て戦列復帰、今季、日本球界歴代最速タイの165キロをマークしたコルニエルも場数を踏み、今後はこのドミニカコンビから栗林へつなぐ形で固めていけそうだ。

写真=BBM
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