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プロ野球記録ノート

11連勝したオリックス、25年ぶりVのチャンス!? 10連勝以上したチームの最終順位は?【プロ野球記録ノート】

 

連勝が止まった後に連敗も……


7月4日の西武戦[メットライフ]で宮城大弥が9勝目を挙げ、2分けを含む5連勝と再び勢いに乗っているオリックス


 オリックスが交流戦の6月6日からリーグ戦の6月23日まで11連勝をマーク。チームの2ケタ連勝は1997年5月28日〜6月11日までの10連勝以来実に24年ぶり。11連勝となると、前身の阪急時代の84年までさかのぼる。オリックスは、楽天(7連勝が最多)を除く11球団の中でもっとも2ケタ連勝から遠ざかっていたチーム。この11連勝により、もっとも遠ざかっているのはDeNA(1999年7月22日〜8月10日の10連勝)となった。またオリックスは1996年、DeNAは1998年が最後のリーグ優勝で、こちらも遠ざかっている2球団だ。

 2ケタ連勝は難しく、2012年からの10年間で7連勝以上したのは延べ65チームあるが、2ケタに届いたのは次の9チームしかない(カッコ内は最終順位、△は引き分けを挟む、数字は引き分け数)。

 日本ハム 15連勝 2016年6月19日〜7月11日(1位)
 西武 13連勝 2017年7月21日〜8月4日(2位)
 西武 12連勝 2018年9月14日〜9月28日(1位)
 ソフトバンク 12連勝 2020年10月10日〜10月23日(1位)
 広島 11連勝 2016年6月14日〜6月29日(1位)
 広島 11連勝 2019年5月11日〜5月25日(4位)
 オリックス 11連勝 2021年6月6日〜6月23日(?)△1
 巨人 10連勝 2012年5月6日〜5月25日(1位)△3
 広島 10連勝 2017年4月1日〜4月13日(1位)△1

 オリックスを除く8チーム中、6チームが優勝。2016年の日本ハムは、連勝前に首位・ソフトバンクに11.5ゲーム差をつけられていたが、15連勝で5ゲーム差に縮め、後半の大逆転優勝につなげた。一方、2017年の西武は連勝前は首位・楽天に11ゲーム差をつけられていた。13連勝し、貯金19、勝率.602と通常だったら首位に躍り出てもおかしくない成績だったが、上にはソフトバンクと楽天がいた。結局、優勝したソフトバンクはとらえられずに2位に終わった。

 2019年、リーグ4連覇を目指した広島だが、開幕から低空飛行で4月中旬に4勝12敗で最下位。その後8連勝で勝率を5割に戻すと、5月11日から11連勝し一気に首位に駆け上がった。交流戦直前には貯金13、2位の阪神には4ゲーム差をつけていた。しかし交流戦で大失速し、リーグ戦に戻った直後に11連敗(1分け挟む)。7月中旬からは9連勝と乱高下が激しいチーム状態で、結局4位に終わった。

 広島はかなりレアなケースと言えるが、今季のオリックスは11連勝のあと連敗したが、その後5連勝(2分け挟む)。9勝の宮城大弥、8勝の山本由伸が先発陣を牽引。昨年の首位打者・吉田正尚は相変わらず打ちまくり、開花した杉本裕太郎が18本塁打と、日替わりだった打線もやっと固定しつつある。ペナントレースは半分を過ぎたばかりだが、25年ぶりの優勝も現実味を帯びてきたかもしれない。

セの今季最多は阪神、巨人の8連勝


6月29日の広島戦[東京ドーム]に勝利し、8連勝を飾った巨人


 一方、今季のセ・リーグ最多は8連勝。阪神が4月9日から20日まで8連勝をマーク。一気にペナントレースの主導権を握ると6月8日から18日までも7連勝。それに追随するように巨人が6月19日から29日まで8連勝をマークした。一時は阪神の独走もあるのではと思われたが、7月5日現在のゲーム差は1.5。セ・リーグはAクラスとBクラスが完全に分かれている状況で、上位チームは日程によっては2ケタ連勝の絶好のチャンスかもしれない。

 最後に12球団の最多連勝を紹介する。

 ロッテ 18連勝 1960年(大毎時代)
 ソフトバンク 18連勝 1965年(南海時代)
 巨人 15連勝 1951年
 中日 15連勝 1955年
 オリックス 15連勝 1971年(阪急時代)
 日本ハム 15連勝 2016年
 阪神 14連勝 1937、46年
 西武 14連勝 1957年(西鉄時代)
 広島 12連勝 1984年
 ヤクルト 12連勝 1991年
 DeNA 10連勝 1964、67、68、98、99年(大洋、横浜時代)
 楽天 7連勝 2008、11、13年

 50年以上前の記録が多いが、これはドラフト制度(1965年オフから)以前、チーム戦力にかなり差があったことが要因と思われる。

文=永山智浩 写真=BBM
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