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吉川尚輝、大山悠輔らが1位指名されたが…セ・リーグ6球団「2016年ドラフト指名組」の出世頭は?

 

2016年のドラフトでは1位で吉川尚輝巨人大山悠輔阪神に指名されて入団した。この年の指名選手は今年で5年目を迎えるが、“出世頭”と言える選手は果たして誰か? セ・リーグ6球団の「2016年ドラフト指名組」の現状を見ていこう。
記録は7月9日現在

読売ジャイアンツ


巨人・大江竜聖


 2016年ドラフトの1位指名は内野手の吉川尚輝で、故障がなければ現時点でどれほどの選手になっていたか。毎シーズン、二塁のレギュラーを期待されているが、現在は左手中指骨折でリハビリ中だ。ほかに2位の畠世周は1年目の6勝が現在までのキャリアハイで、ここまでトータル14勝。今季は中継ぎでの登板も多かったが、現在は先発として二軍調整中。4位の池田駿、5位の高田萌生はいずれも楽天へトレードされている。「出世頭」ということであれば、6位の大江竜聖か。昨季開幕前にサイドに転向し、43試合に登板。今季もすでに33試合に登板しており、11ホールド、防御率1.99と安定感を見せる。本人は「30ホールドを目指す」と頼もしい。

阪神タイガース


阪神・大山悠輔


 現主将の大山悠輔と昨年までの主将の糸原健斗が「2016年ドラフト指名組」の同期だ。同年は8人が指名されたが、この2人が“出世頭”だ。大山に関しては当時の金本知憲監督の意向があり、一本釣りで1位指名をした経緯がある。現在、状態はなかなか上がっておらず四番を外れているが、開幕からしばらくは四番を張り、正三塁手としてチームを牽引していた。糸原は5位と下位入団ながら1年目から66試合に出場。18年シーズンから20年途中まで連続出場を続け、二塁のレギュラーとして活躍。今季も二番打者として強力虎打線をけん引し、首位に立つ原動力の一人と言っても過言ではない。

東京ヤクルトスワローズ



「2016年ドラフト指名組」は高卒組の台頭が著しく、出世頭なら3位の梅野雄吾だろう。勝利の方程式に入るなど、150キロを超える速球を武器にリリーフとして活躍。今季は火消しを担う場面もあり、成長を続けている。5位の古賀優大も、中村悠平らと併用ながらマスクをかぶって奥川恭伸ら若手投手を好リード。打撃でも勝負強さを発揮中だ。1位の寺島成輝は現在ファームで調整中だが、昨季はリリーフとして30試合に登板するなど、活路を見いだした。大卒組では、2位の星知弥がロングリリーフもこなせる便利屋的存在として、ブルペンに欠かせない存在に。4位の中尾輝は貴重な左腕だけに、54試合に登板した2018年のような輝きを取り戻したい。この年、唯一の育成入団だった大村孟は、19年から一軍出場なし。意地を見せられるか。6位の菊沢竜佑は、18年限りでチームを去っている。

中日ドラゴンズ



 2016年のドラフトでは支配下6人、育成1人の計7選手を指名。全員がすでに一軍を経験しており、退団した選手もまだいない。出世頭と言えば1位と2位、柳裕也と京田陽太の大卒組だろう。明大出身の柳は3年目に自己最多の11勝をマークし、今年も巧みな投球術で活躍中。今や頼れる右のエースだ。日大出身の京田は1年目からショートのレギュラーに定着し、新人王にも輝いた。今年はプロ初の二軍降格を味わう厳しいシーズンとなっているが、背番号1を背負う選手会長として存在感は大きい。5位の藤嶋健人は地元の東邦高出身。1年目こそ登板はなかったが、2年目から頭角を現し、今や強力リリーフ陣の一角を占めるまでに成長している。

横浜DeNAベイスターズ



 2016年は明暗分かれたドラフトと言える。1位の濱口遥大は今季初の開幕投手を務めるなど先発ローテの中心を担い、4位・京山将弥、5位・細川成也の高卒入団組も5年目を迎えチームに貢献する。一方で2位・水野滉也、3位・松尾大河、7位・狩野行寿はすでに退団。そんな中で、あっと驚く活躍を見せているのが9位の佐野恵太だ。ドラフト会議では、その年の支配下指名で全体87人中84番目の指名ながら、非凡なる打撃センスで才能を開花。四番に抜てきされた昨季は見事首位打者のタイトルを獲得してみせた。今季も現在、打率.325でリーグ1位。成り上がり人生を歩んでいる。

広島東洋カープ



 今季の存在感では、指名順位は4位だったが、五番に座ってここまで3割台の打率をマークしている坂倉将吾がNo.1だ。守備でもある日は先発マスク、そうでない日はファーストを守り、チームを支える。また、トータルの実績で言えば、トミー・ジョン手術を乗り越えてここまで通算14勝の3位・床田寛樹が一歩リードか。このほか、同様の手術を経て今季復活した2位・高橋昂也、2018年にリリーフで6勝を挙げてVに貢献した5位・アドゥワ誠と、一軍で実績を挙げている選手は多い。矢崎拓也(入団時は加藤)はまだ通算1勝と、1位としては物足りないが、まずまず成功している年といえる。なお、6位の長井良太はすでに引退。

写真=BBM
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