週刊ベースボールONLINE

高校野球リポート

川崎工科高野球部員らが製作。神奈川大会の球場に設置された「手作り感満載」の感染予防用品

 

企画から制作、完成まで約3カ月


高校野球神奈川大会の受付横には「足踏み式消毒スタンド」が設置されている


 球場正面、受付の右横に「手作り感満載」の感染予防用品が置かれていた。

 7月10日、2年ぶりの甲子園出場をかけた神奈川大会が開幕。コロナ禍における大会運営であり、開会式は行われず、メーン会場である保土ヶ谷で選手宣誓(厚木高・杉山史浩主将)のみが実施された。

 この「足踏み式消毒スタンド」は、川崎工科高の野球部員、生徒のほか、顧問の先生が制作したものである。神奈川県高野連理事の渡邉陽介氏(川崎工科高監督)は言う。

「理事になって今年で2年目なんですが、春の県大会を通じて、各球場で(大会を運営する理事の)人手が足りない状況にあります。この消毒台があることで、一人でも、他の分野に人員が確保できれば良いと考えました」

 きっかけは、今年4月。保健体育科の教員である渡邉理事は授業の際、体育館前で足踏み式消毒スタンドを目にした。

「電気科の教員が作ったそうで『これは、すごい!』と。設計図をもらい、プラモデルのように木材を切り、組み立て作業をしました」

 企画から制作、完成まで約3カ月。夏の神奈川大会開幕に間に合わせて、全20台を今大会が開催される県内11球場に配置した。

「カラーは黄色か赤、という案も出たんですが、野球場ですからやはり、緑かいいか、と思いまして……」(渡邉理事)

 言うまでもなく、ポンプに触れずに消毒でき、不特定多数の接触がないというメリットがある。足踏み式で電源が不要のため、どこでも使える。さすが「ものづくり」の教育現場で日々学ぶ、工業高校の腕前である。生徒たちの手で、大会運営に一役買う形となった。

文=岡本朋祐 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング