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巨人は阪神に142勝92敗11分…過去10年の対戦成績で見るチーム相性は?

 

7月11日の阪神戦(甲子園)に先発した高橋優貴が7回無失点で9勝目。これで巨人は今季の対阪神戦を8勝7敗とした


 巨人とDeNAの今季対戦成績は、7月11日終了時点で8勝1敗3分と巨人が大きく勝ち越している。その1敗も12試合目の7月4日のもので、DeNAは開幕から巨人にまったく勝てなかった。巨人の「お得意さま」になってしまっているDeNAだが、2018年は9勝15敗で巨人が負け越し、昨季も12勝12敗と唯一勝ち越すことはできず。ここ数年で見ると、DeNAは巨人にとって相性の良くないチームだった。では、過去10シーズンで見た場合、各チームの「最も相性のいいチーム」「相性の悪いチーム」はどこなのだろうか? 過去10年の対戦成績から「チーム相性」を調べてみた。

巨人に負けまくっている阪神


 まずはセ・リーグから。各チームの過去10年(2011〜2020年)の対戦成績から、最も相性のいいチーム、最も相性の良くないチームを調べてみた。

●阪神

・最も相性がいい……DeNA(137勝97敗11分)
・最も相性が悪い……巨人(92勝142敗11分)

 今季首位を走る阪神は、DeNA相手に過去10年で137勝97敗11分と大きく勝ち越している。負け越したのは2013年のみ。後はすべて圧倒している。ちなみに今季の阪神のお得意さまはヤクルトで、ここまで10勝3敗2分。ヤクルトは過去10年で見ても134勝105敗6分と得意にしているチームなのだ。一方、最も相性が悪いのは巨人。9年連続で負け越しており、今季も7勝8敗だ。

●巨人

・最も相性がいい……阪神(142勝92敗11分)
・最も相性が悪い……広島(116勝118敗11分)

 過去10年で見た場合、巨人が最も勝ち越している相手は阪神だ。先述のように巨人は2012年から9年連続で阪神に勝ち越しており、伝統の対戦相手ではあるがもはや「お得意さま」状態だ。一方相性が悪いのは広島で、116勝118敗11分と唯一負け越している。今季も低迷する広島相手に7勝6敗1分と互角の成績。やはり苦手意識があるのかもしれない。

●ヤクルト

・最も相性がいい……中日(119勝115敗11分)
・最も相性が悪い……広島(98勝138敗9分)

 2015年にリーグ優勝を果たしているヤクルトだが、過去10年で見るとどのチームにも苦戦している。その中で、唯一勝ち越しているのが中日だ。とはいえ、2年連続で負け越しており、勝ち負けの差はわずかに4。今季は9勝2敗3分と大きく勝ち越しており、白星を先行させたいところだ。反対に相性が良くないのが広島。1ケタしか勝てないシーズンが5度あるなど、毎年のように苦戦している。

実は他を圧倒している広島


●中日

・最も相性がいい……DeNA(118勝118敗9分)
・最も相性が悪い……巨人(101勝132敗12分)

 なんと過去10年で中日が勝ち越しているチームは0。かつてはAクラスの常連だったが、2010年代半ばから大きく低迷し、DeNA以外のチームに負け越してしまった。そのDeNA相手に今季は7勝6敗2分。もし、今季黒星先行でシーズンを終えると、セ・リーグ全球団相手に負け越しとなってしまう。また、特に黒星が多い相手が巨人。2016年以外すべて負け越しだ。

●DeNA

・最も相性がいい……ヤクルト(121勝118敗6分)
・最も相性が悪い……阪神(97勝139敗11分)

 DeNAが唯一勝ち越しているのがヤクルト。過去10年で見るとヤクルト相手に6度も勝ち越しを決めており、負け越している他のチームよりも相性は良いといえる。ただ、今季はここまでヤクルト戦で3勝8敗1分と大きく負け越しており、今季も含めると対戦成績はついに負け越し。全球団負け越しにならないよう、後半戦で奮起したいところだ。

●広島

・最も相性がいい……ヤクルト(138勝98敗9分)
・最も相性が悪い……巨人(118勝116敗11分)

 広島が最も得意としているのはヤクルト。前述のとおり、過去10年では大きく勝ち越しており、現在も5年連続で勝ち越し中。ただ、今季はチーム状態が悪くヤクルト相手にも苦戦中だ。反対に相性が悪いのは巨人。とはいえ、広島は過去10年で見ると全チームに勝ち越しており、巨人相手にも善戦している。

オリックスは全球団に負け越し


 続いてパ・リーグ6球団の相性を見てみよう。

オリックス

・最も相性がいい……ロッテ(119勝120敗6分)
・最も相性が悪い……ソフトバンク(91勝145敗9分)

 現在パ・リーグの首位を走るオリックスだが、長らく低迷したこともあり、過去10年では全球団に負け越し。その中で「まだマシ」といえるのが対ロッテ戦で、昨シーズン終了時点で119勝120敗6分とほぼイーブンの戦いを繰り広げている。145敗と大きく負け越しているのがソフトバンク。昨季までは毎シーズンのように「カモ」にされていた相手だ。

●ロッテ

・最も相性がいい……オリックス(120勝119敗6分)
・最も相性が悪い……西武((104勝133敗8分)

 昨季はリーグ2位になったものの、過去10年は3位が最高でなかなかそれ以上に進めなかったロッテ。対戦成績も芳しくなく、唯一の勝ち越し相手がオリックスだった。一方、とにかく相性が悪いのが西武で、ここまで104勝133敗8分と大きく負け越している。好調の今季も西武相手には3勝6敗3分と苦戦している状況だ。

楽天

・最も相性がいい……オリックス(122勝110敗13分)
・最も相性が悪い……西武(93勝139敗9分)

 楽天が唯一勝ち越しているのがオリックスで、昨季終了までの成績は122勝110敗13分。反対に西武相手には苦戦しており、93勝139敗9分と厳しい数字になっている。楽天は元西武の選手を多く獲得しているが、苦手とする西武を攻略する糸口となるのだろうか。

無双状態のソフトバンク


●ソフトバンク

・最も相性がいい……オリックス(145勝91敗9分)
・最も相性が悪い……ロッテ(128勝108敗9分)

 過去10年で日本一7回と「常勝軍団」と呼んでも差し支えない成績を残しているソフトバンク。そんなソフトバンクは全チームに勝ち越しており、特にオリックスには145勝91敗9分と相性がいい。相性が悪いチームをあえて挙げるとすれば、128勝108敗9分のロッテ。実は2年連続で負け越している相手だ。

●西武

・最も相性がいい……楽天(139勝97敗9分)
・最も相性が悪い……ソフトバンク(93勝142敗10分)

 西武の「相性のいいチーム」は先述した楽天。2016年、2019年以外はシーズン勝ち越しを決めている相手だ。しかし、今季は2勝8敗2分と大きく負け越している。ついに楽天の逆襲が始まったのかもしれない。また、西武は幾度となくリーグ優勝を争ったソフトバンク相手にてんで弱く、93勝142敗10分と圧倒されている。CSでもあっさり敗退したこともあるなど、とことん相性は悪いようだ。

日本ハム

・最も相性がいい……オリックス(135勝103敗7分)
・最も相性が悪い……ソフトバンク(98勝140敗7分)

 過去10年で見た場合、日本ハムと相性が良いチームはオリックス。現在最下位と今季は不調だが、首位・オリックス相手には5勝4敗2分と勝ち越しており、相性の良さを見せつけている。反対に相性が悪いのがソフトバンク。過去10年で140敗と厳しい状況だ。今季も不調のソフトバンク相手に3勝8敗3分と負け越し中だ。

 好調なときでも巨人相手に勝ち越せない阪神、不調にもかかわらず相性のいい巨人には奮戦する広島など、過去10年で見た相性は今季も健在というケースが多い。ただ、苦手だった西武相手に白星を重ねるオリックスや楽天など、これまでの数字を覆す戦いを見せているチームもいる。後半戦は、こうした過去10年の相性を参考に、それぞれの対戦を見てみるのも面白いだろう。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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