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【五番採点】オリックス80点、楽天90点、西武50点…パ・リーグ6球団「五番打者」の評価は?

 

クリーンアップの一角である五番打者。四番との勝負が避けられないためにも高い打力が求められる打順だが、打線で重要な役割を担う五番は果たして機能しているのか。パ・リーグ6球団の五番打者を100点満点で採点した。
※記録は7月12日現在

オリックス・バファローズ



オリックス 80点

 開幕から日替わりオーダーを組む中で五番も流動的。ただ、形はできつつある。三番・吉田正尚、四番・杉本裕太郎が固定され始め、五番には主にジョーンズ、モヤの助っ人にT-岡田が入る。中でも勝負強さが光るのがT-岡田だ。打率は.268まで上昇し、スタメン出場は55試合ながら打点はリーグ10位の41。得点圏打率は.355と、吉田正、杉本でチャンスメークし、T-岡田が打点を挙げるケースも多い。何より、助っ人に頼らぬ打線を組むことで、試合終盤の代打起用も可能に。勝負強さが光る“浪速の轟砲”の貢献度は大きい。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 90点

 規定打席に到達すると打率.333でパ・リーグ2位にランクされ、チームの中で最も好調な打者と呼べるのが岡島豪郎だろう。今季途中から右翼の定位置を奪取すると打線では五番に定着し、今や欠かすことができない存在に。7月6日のオリックス戦(京セラドーム)ではプロ10年目にして初の四番に。7日の同カードでは9回に決勝の7号ソロを放ち、4点差逆転に貢献した。捕手登録から再び外野手登録に戻った今季は、まさに完全復活を印象づけるシーズン。五番打者としては100点満点に近い働きを見せている。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ 80点

 開幕は高卒3年目の山口航輝が五番に座るも、連敗スタートとなり早々に組み換え。2カード目からレアードが五番に入った。相手投手との兼ね合いもあり、左打者の角中勝也との併用も、81試合のうち52試合で五番に助っ人砲が入り、ほぼ固定と言っていい。昨季は腰痛で途中帰国して悔しいシーズンを送った、かつての本塁打王は鬱憤を晴らすように、今季は18本塁打とアーチを量産。前を打つ、荻野貴司中村奨吾マーティンも安定した成績を残し、7月に入って藤原恭大も加わり、得点力は上がっている。ビハインドの終盤も、走者をためてレアードの一発で同点、逆転と、打線の怖さが増しているのは間違いない。


福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク 50点

 クリーンアップの中でもっとも流動的なのが五番打者だ。チームとしては、固定するよりもその時々で効率よく得点を稼ぐための最善策を考え、選手個人の調子の良し悪しも加味して起用する傾向にある。それゆえ、7月12日現在、打率.262、37打点は少し物足りない。今季の五番スタメン起用人数は9人で、一番多いのは中村晃(34試合)だ。コツコツとヒットを重ねるだけでなく走者を返す能力にも優れた中村晃だけに、本来は五番というポジションの適性は十分だが、今季は開幕からなかなか調子が上がらず打率も2割5分台。それでも7月10、11日は首位・オリックス投手陣から、二番だったが12日は楽天投手陣から3試合連続マルチ安打。前半戦をいい形で締めくくるためにも、中村晃らしい粘り強い打撃を見せてほしい。

埼玉西武ライオンズ



西武 50点

 83試合終了時点で70通りの打順が組まれているが、五番も固定されていない。スタメン五番起用は10選手。これはパ・リーグ最多だ。スタメン五番の成績は打率.261、6本塁打、34打点。打率はリーグ最下位、本塁打、打点は同5位、さらに言うと長打率.367も同最下位と、どうにも迫力不足は否めない。最多出場は25試合の栗山巧、以下、24試合の呉念庭、15試合の山川穂高と続く。このなかで栗山はスタメン五番で打率.341、3本塁打、11打点と結果を残しているのは、さすがだ。出塁率も.423、長打率も.500を数える。ただ、栗山は開幕でも五番に座り、三番でも14試合、四番でも18試合に出場。37歳のベテランにクリーンアップを任せざるを得ない状況が、5位と下位に沈むチームの苦境を物語っているだろう。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム 55点

 79試合終了時点で五番のスタメンには7人が起用されている。スタメン五番は打率.291、4本塁打、30打点。打率はリーグ2位だが、本塁打はリーグ最下位だ。最多は31試合の渡邉諒で、17試合の王柏融、12試合の野村佑希、10試合の淺間大基と続く。渡邉の五番での成績は打率.310、15打点と勝負強い打撃で役割を果たしている。野村も五番で打率.348と好成績。王柏融は交流戦の巨人戦(東京ドーム)で五番に入り2試合連続本塁打で勝利に貢献した。主砲・中田翔に代わって四番に座る近藤健介は、中田のように一発で走者をかえすタイプではなくチャンスメークもできる四番打者だけに、長打力を備える王、渡邉、野村らが得点圏で走者をかえせるかどうかが、チームの得点力にも直結してくるだろう。そういう意味でも五番に入る打者の役割は重要だ。

写真=BBM
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