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【五番採点】巨人60点、阪神75点、ヤクルト85点…セ・リーグ6球団「五番打者」の評価は?

 

クリーンアップの一角である五番打者。四番との勝負が避けられないためにも高い打力が求められる打順だが、打線で重要な役割を担う五番は果たして機能しているのか。セ・リーグ6球団の五番打者を100点満点で採点した。
※記録は7月12日現在

読売ジャイアンツ



巨人 60点

 不動の四番打者・岡本和真の後を打つ五番は、ここ数年のチームの課題でもある。今季開幕は丸佳浩で迎え、J.スモークが合流した後は30試合で新助っ人が担った。打率.274、7本塁打、14打点とまずまずの成績も、交流戦終了後にチームを退団。以降は坂本勇人が打つなどしたが、7月7日の中日戦(東京ドーム)より一番・梶谷隆幸、二番・坂本、三番・丸、四番・岡本と、原辰徳監督が理想としていたオーダーに戻し、五番にZ.ウィーラーを置く形に落ち着いた。リーグ3位の打率.317で、リーグ1位の得点圏打率.429を誇るウィーラーは五番にうってつけの存在。首位阪神を追う後半戦の、カギを握る打順となるかもしれない。

阪神タイガース


阪神・佐藤輝明


阪神 75点

 開幕からサンズが五番に入り、三番・マルテ−四番・大山悠輔−五番・サンズ−六番・佐藤輝明と打線で三番からのいい流れが出来上がっていた。その中でサンズは決して打率は高くないが、五番として31打点を挙げるなどここぞの場面で勝負強い一面を見せていた。その後は大山の故障などもあり、開幕当初のクリーンアップの並びに変化が出た。6月8日の日本ハム戦(札幌ドーム)からは佐藤輝が五番に座った。しかし、大型新人は五番として23試合で23安打、5本塁打、10打点、打率.256。打点の部分でやや少なく感じられる。9日の巨人戦(甲子園)は大山、10日の同カードからはサンズが五番に入ったが、この打順が機能できていない部分が、最近の阪神の苦しい戦いに影響を与えている可能性は否めない。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト 85点

 50試合と最も五番に多く座っているのは、今季から加わった新助っ人・オスナだ。わずかに規定打席には届いていないものの、要所で勝負強い打撃を発揮している。7本塁打と一発は多くないが、打率.306と高打率をキープ。単打や二塁打でランナーをかえす打撃や、チャンスメークもできる。オスナが五番に座ることで、相手は四番の村上宗隆との勝負を避けにくくなった。7月に入ってから村上の調子が下がっているため、なかなかクリーンアップでたたみかける攻撃はできていないが、オスナの出塁から下位打線で得点することも多い。いまやチームに欠かせない助っ人だ。

中日ドラゴンズ


中日・高橋周平


中日 40点

 84試合を消化して最も多く五番に座ったのは45試合で高橋周平だ。開幕スタメンは三番で15試合続いたが、高橋自身もチーム全体も打撃不振にあえぎ、再び昨年の五番に戻った。しかし高橋周の打撃は一向に回復の兆しを見せず、それがチーム成績にも直結している。高橋に次いで五番を務めたのは堂上直倫で14試合、福留孝介11試合。球界最年長の福留は五番で打率.289と奮闘しているが、高橋周の.269は物足りない。何よりもポイントゲッターとなる五番に座ってわずか2本塁打、10打点。チーム全体でも五番が5本塁打で21打点だから深刻な得点力不足が分かるだろう。現在、高橋周は五番をはく奪された形となっているが、復調の兆しが見られれば最も五番に相応しい打者なのは間違いないのだが……。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA 75点

 打撃の調子が上がらなかった4月と5月の一時期は新人・牧秀悟やソトに譲ったものの、DeNAの五番には、大半の試合で宮崎敏郎が座っている。打率リーグトップの三番・佐野恵太、同2位の四番・オースティンの影に隠れてしまっているが、五番・宮崎も打率.297でリーグ8位、44打点はリーグ9位と数字を残している。欲を言えば、得点圏打率.289と本塁打7を伸ばしたいところではあるが、全体的に見ればベイスターズ打線の中で十分に機能しているといえる。

広島東洋カープ



広島 80点

 広島の先発五番は打率.294とセ・リーグ1位の成績だが、ここまで最も多く先発を務めているのは、37試合の坂倉将吾だ。6月22日のヤクルト戦(マツダ広島)で五番に上がると5試合連続マルチ安打、以降はすっかり定着した感がある。おおよそ週に2試合は捕手で先発、そうでない試合は一塁手で先発と、難しい形でのスタメン出場を続けていることからも、打線においては欠くべからざる存在になっていることが分かる。ここまで五番先発時の成績は打率.300、2本塁打、10打点。欲を言えば、本塁打と打点はもう少し欲しいが、打率.310は十分にその役割を果たしていると言っていい。ポジションでは定位置があるとは言えなくても、打線における「五番」という定位置はガッチリとキープしている。

写真=BBM
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