週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

阪神が優勝を手に入れるには…安定感ある先発陣の出来がその行方を左右する

 

伝統の一戦に負け越すも


首位攻防の初戦でチームを勝利に導いた先発の秋山。気迫の投球だった


 天も味方につけ、直接対決を乗り切った。交流戦後、2位・巨人は8連勝するなど、じわじわと接近してきた。阪神は7月9日からの伝統の一戦を、2.5ゲーム差で前半戦最後の首位攻防戦として巨人を甲子園で迎え撃った。

 巨人3連勝なら首位が入れ替わるという戦い。7月9日の初戦の重要性は、先発の秋山拓巳が痛いほど分かっていた。「意地を見せようぜ」と福原忍投手コーチにハッパをかけられてのマウンド。今季、秋山は対巨人戦3敗という不名誉な記録があっただけに入念に準備した。「次の打者以降の攻め方を冷静になって考えて、とにかく集中力を切らさないようにと思っていました」と冷静に対処し、巨人打線を手玉に取った。

 7回途中まで6安打1失点。打線も秋山の好投に応え、相手エラーにつけ込むなど小刻みに点数を重ね4対1とし、7回無死二、三塁のピンチの場面で、雨が降りだし、そのままゲーム終了となった。この時点で阪神の日曜日までの首位は確定。だが10日は1対8と大敗し、11日はエース・西勇輝が好投も0対1と2連敗で1.5ゲーム差に迫られた。

 前半戦、阪神の戦いは、新人・佐藤輝明の加入などで、打線が活発化したことで首位を守ってきたが。しかし、それ以上に先発陣の安定感があったからこそ、この地位があった。9日の試合も秋山が7回途中1失点の奮投があったことで、首位を堅守。13日のDeNA戦(甲子園)では0対3の9回裏に4点を挙げてサヨナラ勝ちしたが、先発の青柳が7回3失点と試合をつくったことが大きかった。

 今季、秋山の平均投球回数が5.90回。西勇、青柳、伊藤将司アルカンタラは平均6回以上を記録。6勝負けなしのガンケルも5.85回と安定感抜群だ。この先発陣の踏ん張りで、前半戦首位を守り切った。7月は5勝6敗と苦しみながら、貯金17は立派。さらに昨季8勝16敗と大きく負け越した巨人を相手に7勝8敗と互角の戦いができている。やはり、阪神は今後も好調な先発陣を軸に戦っていくしかない。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング