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プロ野球はみだし録

オールスター3イニング限定の規定もなんのその? 落合監督、1投手1イニングで完封リレー【プロ野球はみだし録】

 

第1戦に続き、第2戦でもエポック?


2007年オールスター第1戦で先発した巨人・上原


 オールスターで登板する投手には最長で3イニングまでしか投げられないという規定があり、その中でセ・リーグの江夏豊(阪神)が1971年の第1戦(西宮)で9連続奪三振、これに同じくセ・リーグの江川卓(巨人)が84年の第3戦(ナゴヤ)で8連続と迫ったことは紹介したばかりだ。これは3イニング限定だからこそのドラマだが、これを逆手に取った……というより、ものともしなかったのが2007年のセ・リーグだ。

 率いるは落合博満監督(中日)。第1戦(東京ドーム)で落合監督は1回表から9回表まで、9人の投手に1イニングずつを任せる。先発……というより1回表を担当した(?)上原浩治(巨人)は内野安打と死球で走者を出したものの、無失点で切り抜けて勢いを作る。そこからは、2回表の高津臣吾(ヤクルト)、3回表の林昌範(巨人)、4回表の木塚敦志(横浜。現在のDeNA)、5回表の岩瀬仁紀(中日)、6回表の黒田博樹(広島)、7回表の久保田智之(阪神)、8回表のクルーン(横浜)、9回表の藤川球児(阪神)とパーフェクト。9投手、全77球でパ・リーグを圧倒した。

 1イニングにつき1投手というだけでなく、セ・リーグ6球団すべてから投手を出したのも落合監督らしいというべきか。ちなみに、1971年の第1戦で勝利投手となったのは、3連続奪三振で迎えた2回表に打っても殊勲の3ランを放った江夏であり、84年の第3戦では回表に9連続のならなかった江川の力投に応えて、その裏にセ・リーグが勝ち越したため、江川が勝利投手となっているが、この07年の第1戦で勝利投手となったのは久保田。

 この試合、セ・リーグの打線もパ・リーグの投手陣に封じられており、ようやく打線が先制点を奪ったのが7回裏。そのままセ・リーグ投手陣が完封リレーを成し遂げたことで、7回表を担当していた、つまり7番手の久保田が勝利投手となったものだ。さらに、この07年は第2戦(フルキャスト宮城)が8回表のセ・リーグ攻撃中に降雨のためコールドに。雨の多い季節ながら、降雨コールドもオールスター初の出来事だった。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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