3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 ついに開幕戦7連敗
今回は『1973年4月30日号』。定価は100円。
4月14日セ、パの公式戦が華やかに開幕。
V9を目指す巨人は本拠地後楽園に
ヤクルトを迎えたが、5対10と大敗。6回には
長嶋茂雄の4年連続開幕戦アーチもあったが、先発・
堀内恒夫の乱調が響いた。
「ゆうべは明け方まで起きていました。いつも登板日前日は不眠に悩むんです」
と堀内。真っすぐが思うように走らず変化球主体のピッチングで迫力を欠いた。
一時は0対8と開いたが。長嶋の2ランなどで5対8になったのが、わずかに見せた意地か。
これで巨人は本拠地開幕7連敗である(前年は雨天中止)。
ライバルと目される
阪神は甲子園で大洋を迎え撃ったが、こちらもエースの
江夏豊の乱調で1対3の敗戦。キャンプ中からおかしかったヒジ痛が原因かとも言われたが、
「打たれたのは仕方がない。聞いたら堀内ほどの大投手でもKOされたんやから、俺なんて打たれて当然や。ヒジ? う〜ん」
とそれはノーコメント。
一方、大洋先発の
平松政次は快刀乱麻。「今の調子なら勝たせてもらわないとね」と笑顔だった。
セの残るカードは
中日球場の中日-
広島。2日前に開幕投手を
稲葉光雄と発表したことでも話題となった。試合は3対4と中日が1点のビハインドになったが9回裏、二死から
島谷金二がサヨナラ2ラン。
与那嶺要監督は、
「ボク、映画を見ているようよ」
と大興奮だった。
しかし、表紙の王貞治のスイングは完全にアッパースイングに見える。やや大谷っぽいか。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM