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【総括】巨人・テームズ、阪神・西勇輝、中日・平田良介…セ・リーグ6球団「前半戦最大の“誤算”選手は?」

 

前半戦が終了したが、ペナントレースでは想定外の出来事が起こる。活躍が期待されながら、さまざまな要因で結果を残せなかった選手もいるだろう。セ・リーグ6球団の“誤算”選手を見ていこう。
※記録は前半戦終了時点

読売ジャイアンツ



 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新外国人選手の来日遅れは仕方がないことであったが、打線をビルドアップすることが期待されたE.テームズ、J.スモークの離脱は大きな“誤算”だった。開幕から約1カ月後の4月27日にそろって一軍デビュー。六番・左翼で出場したテームズは、3回の守備時に右アキレス腱を断裂し、手術とリハビリのために30日にはアメリカへと帰国した。スモークは四番・岡本和真の後を打ち、コンスタントに安打を放って交流戦終了時点で34試合の出場、打率.272、7本塁打、14打点、とまずまずの働き。しかし、家族の来日の見通しが立たず、交流戦後の帰国、退団が決まった。事情が事情とはいえ、チームにとって助っ人2人の離脱は想定外のアクシデントだったといえる。

阪神タイガース



 首位ターンで前半戦を終えた阪神だけに、ほぼ全員が期待どおりの活躍を見せたといっていい。“誤算”だった選手を探すほうが難しい。“あえて”というのであればエース・西勇輝の勝ち星ということになるだろうか。前半戦は4勝6敗と借金2で終えた。ただ、先発回数はチーム最多の15、投球回数も最多の98回2/3と十分な数字を残している。しかし、なかなか打線とかみ合わず、4勝にとどまっている。クオリティスタートも9を数え特段、不振が続いているというのではないため、後半戦に入り打線の援護があれば4年連続の2ケタ勝利は見えてくるはずだ。

東京ヤクルトスワローズ



 石山泰稚が不調に陥り、近藤弘樹が故障離脱。野手でも坂口智隆が離脱するなど、予想外の出来事は多かった。ただ、期待値で言えば、ドラフト1位ルーキーの木澤尚文が最も“誤算”と言えるのではないか。大卒で即戦力となることを見込まれていたはずで、木澤自身も入団会見では「ドラフト1位は即戦力でなくてはならない」と決意を固くしていた。しかし、今季ここまで一軍登板なし。7月15日のフレッシュオールスター(松山)には出場したが、楽天早川隆久をはじめ、同じ東京六大学リーグでしのぎを削り合ってきたドライチ投手たちは全員一軍デビューを果たしている。悔しさは木澤自身が一番感じているはず。後半戦の鮮烈デビューに期待したい。

中日ドラゴンズ



 正直に言えば“誤算”選手だらけだ。前半戦で合格点を与えられるのは大島洋平ビシエド、そして球界最年長の福留孝介と数えるほど。中でも最大の誤算は開幕で五番に座った平田良介だろう。昨年は極度の不振に陥り、レギュラーの特権をはく奪された。主力打者として活躍してきたプロ16年目のベテランにとっては屈辱だったが、春季キャンプから結果を残して存在感を見せつけた、はずだったが……。開幕から7試合連続で五番を務めたものの快音は聞かれず、開幕1カ月後には二軍降格。打率.155、0本塁打、4打点、では無理もなかった。その後は二軍戦でも振るわず、6月に入ってからは故障が続いて調整中。5年契約の5年目は完全復活の期待を大きく裏切った形となっている。

横浜DeNAベイスターズ



 本来であれば平良拳太郎は、大貫晋一と並んで右の軸として、先発ローテーションとしてフル稼働することが期待されていた。過去にフルシーズンで活躍したことがなく、本人も「1年間チームの戦力になること」を最大の目標にしてきた。しかし、右ヒジに違和感を覚え、登板2試合で登録を抹消。6月にトミー・ジョン手術を行った。平良はすでにリハビリに入っており、復帰は2023年ごろになると思われる。本人とチームにとっては、悔しさばかりが残る“誤算”となった。

広島東洋カープ



 ファーストの坂倉将吾、サードの林晃汰、ショートの小園海斗と若手の活躍が目立つ広島だが、それは裏を返せば、そのポジションで期待されていた選手が“誤算”だったということでもある。すなわち、ファーストのクロン、サードの堂林翔太、ショートの田中広輔だ。構想を狂わせたという意味では、打率1割台に沈み、開幕からわずか10試合で一番を外れた田中広の不振は響いた。昨年からのマイナスという意味では、昨年の打率.279、14本塁打、58打点から今季前半は打率.184、0本塁打、4打点となりファーム落ちしている堂林の数字が大きい。クロンはホームランは6本打ったが、三振が安打数30の1.5倍以上の47ではファーム落ちもやむを得なかった。

写真=BBM
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