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【総括】日本ハム・中田翔、ソフトバンク・周東佑京…パ・リーグ6球団「前半戦最大の“誤算”選手は?」

 

前半戦が終了したが、ペナントレースでは想定外の出来事が起こる。活躍が期待されながら、さまざまな要因で結果を残せなかった選手もいるだろう。パ・リーグ6球団の“誤算”選手を見ていこう。
※記録は前半戦終了時点

北海道日本ハムファイターズ



 前半戦最大の“誤算”は、主砲・中田翔の絶不調をおいてほかにない。39試合の出場で4本塁打、13打点、打率.193。昨季は3度目の打点王に輝きリーグ2位の31本塁打を放った頼れる四番が開幕から極度の不振に陥り、チームの得点数は断トツの最下位。大砲を欠いた打線の長打力不足は深刻で本塁打数46もワースト、借金12の最下位に沈んだ。5月17日には、故障以外では入団後初の二軍降格も経験し、6月4日に一軍復帰したが、わずか4日後の阪神戦(札幌ドーム)で出塁した際、急性腰痛を発症しまたも登録抹消。以降、一軍昇格は果たしていない。五輪ブレークで万全の状態に戻せるのか。心身共に本来の中田が戻ってくれば、チーム状況も好転するはずだ。

オリックス・バファローズ



 俊足巧打のスイッチヒッターとしてリードオフマンの期待が寄せられた佐野皓大。オープン戦では課題の左打席で本塁打を放つなど、ブレークが期待され、一番・中堅で開幕スタメンを手にした。その後も開幕から12試合連続でスタメンに名を連ねたが、打率1割台と低調で5月13日に二軍に降格。その間、福田周平が一番・中堅に定着し、チームも浮上した。固定起用できなかった「一番」「中堅」という2つのポジションの重要性が証明された形に。ただ、佐野皓も当然、このままで終わるつもりはない。7月6日のウエスタン・広島戦(オセアンBS)ではサヨナラ打を放つなどアピールし、10日に一軍昇格。自慢の快足は健在と、十分に一軍戦力となる。勝負の後半戦は、さらに存在感を示したい。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 開幕から7試合連続安打、12試合目終了時点で打率.405と絶好調だっただけに、コンディション不良による欠場はチームにとって大きな痛手となった。4月10日から4試合連続でスタメンから外れ、その後も状態を見ながらの出場が続いた。7月1日には疲労蓄積のため今季初の登録抹消に。石井一久GM兼任監督は「ちょっと疲労がたまっている感じ」と、大事を取っての措置だった。前半戦の全88試合のうち、出場したのは70試合と物足りない数字に終わった。チーム2位の11本塁打など、出場すれば打力を発揮するだけに、勝負の後半戦ではコンディション調整がもっとも重要となりそうだ。

千葉ロッテマリーンズ



 開幕は出遅れ、そして途中離脱……。昨季まで2連連続で開幕投手を務めた石川歩の不在は大きな痛手だ。2月下旬から足のコンディション不良で一軍オープン戦には帯同せず。二軍調整で開幕に間に合わず、初登板は開幕6カード目、4月13日の楽天戦(楽天生命パーク)。その後は先発ローテーションを守ったが、6試合で2勝2敗、防御率5.08。6月3日には右ヒジ関節クリーニング手術を行い、全治3〜4カ月と長期離脱となった。今季中の復帰は微妙と、入団から3年連続2ケタ勝利を挙げ、2017年のWBC日本代表に選出された実績を持つ右腕の不在の影響は少なくない。

福岡ソフトバンクホークス



 8年ぶりのBクラスターンとなったチームにとって、“誤算”と言える選手は数多い。エース・千賀滉大、守護神・森唯斗、四番のY.グラシアル……一生懸命プレーしてのケガは仕方のないことなのだが……。最終的に右手人さし指骨折で離脱した周東佑京も、その1人だ。リードオフマン・周東は今季だけでなく、今後さらなる常勝軍団を築く上でも重要視されていた。だからこそ、首脳陣も開幕から辛抱強く一番で起用。しかし、調子は上がることなく、持ち味である“足技”でもミスが目立つように。ケガは何とか浮上のきっかけをつかもうと二軍戦に出場した際に負ったもの。まさに踏んだり蹴ったりだった。ただ、これがどん底と考えれば、あとは上がるのみ。昨季も9、10月は月間打率3割を超え、NPB&MLB記録を更新する13試合連続盗塁も達成した。周東がリーグ連覇のカギを握る1ピースであることは間違いない。

埼玉西武ライオンズ



 開幕直後から主力野手にケガ人が相次ぎ、その副産物で穴を埋めた呉念庭愛斗若林楽人らが台頭した西武。しかし、リーグトップの盗塁をマークするなど一番として定着しつつあった若林が左ヒザ前十字靱帯損傷で5月下旬から戦線離脱することに。野手陣は“誤算”だらけだったが、そのほとんどはケガによるもの。不調により、本来の期待に応えられず、チームにとって大きな痛手となったのはクローザーの増田達至だ。昨季のセーブ王は今季も試合の最後を締める役割を担ったが、5月4日に登録抹消。その時点でリーグトップタイの8セーブを挙げていたが、3度のセーブ失敗があり、15試合で0勝2敗、防御率6.75と本来の出来とはほど遠い内容だった。前半戦終了時点でチームは5位。後半戦の逆襲に向けて、増田の復活が求められる。

写真=BBM
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