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【先発陣採点】巨人75点、阪神93点、DeNA30点…セ・リーグ6球団 前半戦「先発陣」の評価は?

 

現在は東京オリンピック開催のため公式戦を中断しているプロ野球だが、各球団はすでに80試合以上を消化している。果たして前半戦、先発がしっかりと役割を果たしたのはどこか? セ・リーグ6球団の先発陣を100点満点で採点した。
※記録は前半戦終了時

読売ジャイアンツ



巨人 75点

 4度の登録抹消で2勝にとどまり、前半戦終了を二軍で迎えたエース・菅野智之の状態が心配される。先発陣は開幕時点と大きく入れ替わりを見せるが、3年目左腕の高橋優貴が9勝、これに同じく3年目右腕の戸郷翔征が8勝で続き、前半戦は若い2人が先発陣を支えている。5勝5敗のA.サンチェスは波が激しいのが残念なところ。後半戦に向けては左ヒジ手術から復帰し、6戦5勝のC.C.メルセデスが頼もしく、MLBから6月に復帰し4戦2勝の山口俊の獲得も大きな補強となった。

阪神タイガース



阪神 93点

 チーム防御率は3.32だが先発陣防御率は2.95。84試合を終わった中で、この数字は驚異的と言ってもいいだろう。今季は成長を見せている青柳晃洋が、先発陣をけん引。8勝2敗で防御率はリーグトップの1.79と抜群の安定感を見せる。そのほか、7勝4敗の秋山拓巳、6勝1敗のガンケルと貯金を作っている先発が3人いる。さらに勝ち星にはつながっていないが西勇輝、ドラフト2位の伊藤将司は平均投球回で6回以上を記録しており、しっかりと試合を作れていることを証明している。新助っ人のアルカンタラも7試合登板ながら平均5.71回と安定しており、後半戦が楽しみだ。その中で、先発左腕として大きな期待をされていた高橋遥人の名前がケガでないのが寂しい。そこを差し引いで93点とした。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト 60点

 先発防御率は4.17で、優れた数字を残しているわけではない。だが、昨季は規定投球回数到達者ゼロだったことを考えれば、小川泰弘がチームトップの7勝を挙げ、83イニングを投げていることは喜んでいいだろう。次点では、トレード加入した田口麗斗が79回2/3を投じて先発ローテーションを守っている。開幕前より課題に挙げられていた投手力、特に先発投手の整備は叶いつつある。中でも高卒2年目の奥川恭伸は中10日に90球ほどで降板することが多く、防御率も4.19だが、登板するごとに課題を克服して成長を続けている。開幕先発ローテから外れた石川雅規高橋奎二も一軍復帰後は好投を続けており、後半戦に向けて好材料がそろっている。

中日ドラゴンズ



中日 80点

 チームの大黒柱として期待された大野雄大は3勝7敗、右のエースとして開幕投手を務めた福谷浩司は4勝9敗と大きく負け越している。打線の援護に恵まれなかったのは確かだが、昨年勝ち頭の2人で借金9は大誤算だ。しかし2人の穴をカバーしたのが柳裕也であり、小笠原慎之介の次世代エースだ。柳はチームトップの7勝で防御率2.42、小笠原は6勝で防御率2.93と両者ともに3点以内の安定感を見せた。この4人に次ぐ5番手の勝野昌慶は4月までに3勝を挙げたものの、そこから勝ち星に見放されている。ただ内容的には悪くなく、開幕から先発ローテーションを守り続けているのは見逃せない。先発陣の防御率3.52はリーグ3位。チーム防御率3.31をやや下回るが、合格点は付けられるだろう。

広島東洋カープ



広島 60点

 交流戦では18試合で先発投手の勝利がゼロという不名誉な記録を作るなど、かなり苦しい時期があった。この期間は、九里亜蓮が新型コロナ陽性、森下暢仁は濃厚接触者判定で戦列を離れ、大瀬良大地も右足ふくらはぎからの故障明けと悪い状況が重なった。ただ前半戦総合では、7勝で勝ち頭の九里と6勝だが防御率2点台の森下は安定しており、壊滅的とまでは言えず、60点というところか。前半戦の終わりには、前記の三本柱に加え、2年目の玉村昇悟とリリーフから回った大道温貴が勝利を挙げ、持ち直してきた。あとは高橋昂也床田寛樹野村祐輔中村祐太遠藤淳志薮田和樹矢崎拓也ネバラスカスらの中から誰が残り1枠に食い込むかだ。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA 30点

 今季、ベイスターズ低迷の要因となっているのが先発投手陣だ。6月末に開幕投手を務めた濱口遥大が左ワキ腹の違和感で登録抹消され、開幕から先発ローテーションを守る投手は誰もいなくなった。規定投球回に到達する投手はゼロ。先発防御率4.95はリーグワーストだ。ケガや本来の力を発揮できない投手が続出し、シーズン途中にはロッテから有吉優樹をトレードで獲得に動いた。とはいえ、7月に入りようやく先発陣は整備されてきた。今永昇太、大貫晋一坂本裕哉阪口皓亮らに加えて、上茶谷大河ロメロも復調傾向。ここに新戦力の有吉、ケガからの復帰が近い濱口が合流すれば駒数はそろう。先発が試合をつくり、後半戦は一つひとつ白星を積み重ねたい。

写真=BBM
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