前半戦を終え、東京五輪期間中によるブレーク期間に入った。後半戦に向けて選手たちはつかの間の休息を取り準備を進める中で、前半戦に一軍出場がなかった選手たちは背水の陣を迎えている。巨人・陽岱鋼、日本ハム・斎藤佑樹、清宮幸太郎、楽天・オコエ瑠偉……自身の存在証明をかけ、後半戦は是が非でも結果を残したい。 二軍で269日ぶりの実戦復帰
日本ハム・斎藤佑樹
・斎藤佑樹(日本ハム)
※通算88試合登板 15勝26敗、防御率4.34
昨季は一軍登板なしに終わり、イースタンでも1勝3敗、防御率9.31。3年目以降は8年間で計4勝と結果を出せていない。昨年10月に右ヒジの内側側副じん帯断裂と診断され、自身の血液から血小板を取り出し、患部に注射する再生療法「PRP療法」を選択した。リハビリを経て今月12日の
DeNA戦(鎌ヶ谷)で269日ぶりの実戦復帰。アマチュア時代は早実3年の夏に全国制覇を果たし、早大進学後は六大学史上6人目の通算30勝、300奪三振を達成と社会現象になるほどの活躍だったが、プロ入り後は度重なる試練を味わっている。4球団競合のドラフト1位で日本ハムに入団したが新人の2011年に挙げた6勝が自己最多。18年から未勝利とファーム暮らしが長い。輝きを取り戻せるか。
巨人では規定打席未到達
巨人・陽岱鋼
・陽岱鋼(巨人)
※通算1315試合出場 打率.270、105本塁打、482打点、141盗塁
日本ハムから巨人にFA移籍したが、目立った活躍がないまま5年契約最終年の今季は前半戦で一軍出場がなかった。攻守走3拍子そろった外野手で、日本ハム時代は不動のレギュラーだった。13年には打率282、18本塁打、67打点、47盗塁で球団史上初の盗塁王を獲得。14年も打率.293、25本塁打、85打点、20盗塁をマークする。打球に対する反応の速さと広い守備範囲、強肩を武器にゴールデン・グラブ賞を4度獲得。「日本一のセンター」と形容された。巨人に移籍後は度重なる故障で1度も規定打席に届かず、三軍降格の屈辱も味わった。7月20日現在、今季はファームで31試合出場、打率.242、4本塁打、11打点。一軍行きの切符をつかみ、もう一花咲かせられるか。
二軍でも打率が上がらず
日本ハム・清宮幸太郎
・清宮幸太郎(日本ハム)
※通算230試合出場 打率.198、21本塁打、73打点、2盗塁
東京五輪の侍ジャパンに史上最年少で選ばれた同期入団の
ヤクルト・
村上宗隆に大きく差をつけられた。今季はチームが最下位に低迷する中、一軍に呼ばれることがないまま前半戦を終了。7月20日現在、イースタンで60試合出場し、打率.205、8本塁打、29打点と確実性に課題を残す。球界を背負うスラッガーと期待されていただけに、現状はあまりにも寂しい。早実で史上最多の高校通算111本塁打をマーク。ドラフトで高校生最多タイの7球団が競合した。目を見張るような打球を飛ばすが、変化球にもろく、打率が上がらない。昨年までは打撃不振でも首脳陣が我慢強く起用していたが、今年は違う。故障以外で初の開幕二軍スタートが決まると、なかなかはい上がれない。潜在能力はピカイチだけに惜しい。
攻守走の能力は高い
楽天・オコエ瑠偉
・オコエ瑠偉(楽天)
通算成績188試合出場 打率.219、9本塁打、38打点、16盗塁
2月に左手関節TFCC縫合術を受け、リハビリを経て6月30日のヤクルト戦(森林どり泉)で実戦復帰。7月20日現在、イースタンで6試合に出場し、打率.412と状態の良さをアピールしている。昨年は開幕前に左ワキ腹を負傷し、プロ5年目で初めて一軍出場なしに終わっただけに、後半戦は野球人生をかけた重要な時期になる。攻守走の能力は目を見張るものがある。力強いスイングに俊足を生かした外野の広い守備範囲で、関東一高の3年夏に甲子園で大活躍。評価が急上昇し、ドラフト1位で楽天に入団した。将来の楽天を背負う逸材として期待されたが、その後は度重なる故障でレギュラーをつかめず。危機感を最も感じているのはオコエだろう。意地を見せられるか。
写真=BBM