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吉田正尚、荻野貴司、柳田悠岐…パ・リーグ6球団「最多安打男」は誰?

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で120試合制となった昨季は柳田悠岐(ソフトバンク)が146安打でタイトルを獲得した。リーグで最も安打を放った男。前半戦終了時点でパ・リーグ各球団の「最多安打男」は果たして誰なのだろうか?
記録は前半戦終了時

オリックス・バファローズ



吉田正尚 108安打

 コンスタントに打ち続けるとからこそ“不動の打線の軸”だ。昨季のパ・リーグ首位の吉田正尚が、今季も変わらぬ打撃を披露。打率.343でリーグトップを走り、108安打も同トップだ。17本塁打とパワフルな打撃も魅力だが、2ストライクに追い込まれれば逆方向へ軽打を放つなど“巧さ”を併せ持つ。状況に応じた打撃が好成績を残せる最大の要因。「塁に出ることがチームのためになる」の思いを常に持つからこそ、367打席で19三振と簡単にアウトにならず、一塁への全力疾走も欠かさない。一番・福田周平、二番・宗佑磨、そして後ろを打つ四番・杉本裕太郎と前後が固まったことでチームの得点力もアップ。東京五輪日本代表の三番も打つ背番号34が、後半戦も“打線の軸”となる。

千葉ロッテマリーンズ



荻野貴司 104安打

 得点力を上げたのは衰え知らずのリードオフマン・荻野貴司の存在が大きい。バットを短く持って右方向への軽打に加え、内角球は腕をたたんで左翼線へ。フェンスオーバーする長打力も秘め、前半戦だけで3本の先頭打者弾も放った。チームトップの104安打は、リーグ2位の数字。開幕3戦目からは二番にマーティンを置き、前半戦終盤には藤原恭大が入り、一、二番で好機をつくれば、中村奨吾レアードらが打点を稼ぐ。背番号0が攻撃の起点となり、12球団トップの384得点を挙げる打線が完成した。今年10月で36歳も15盗塁と自慢の足も健在。後半戦もロッテ打線を勢いづける。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・柳田悠岐


柳田悠岐 98安打

 離脱者、不調者の存在により、好不調の波が大きかった今季の攻撃陣。この男がいなければ目も当てられない状況になっていたことだろう。前半戦全88試合に出場した柳田悠岐は、チームトップ、リーグでも3位の98安打を放った。さすが昨季のパ・リーグ最多安打者だ。“定位置”打順、三番でスタートした今季も、流れを変えるべく任された二番や、Y.グラシアルの負傷離脱後は四番も務めた。本来は四番が好きではない柳田だが、小久保裕紀ヘッドコーチは起用に際し「あいつのチームなんで」。そんなことを言われたら、いくら柳田でも熱くならないわけがない。勝負どころでの一打、一発。打点を稼いでチームを勝利に導く顔には、四番としての自覚がにじんでいた。後半戦も背番号9が打線をけん引する。

東北楽天ゴールデンイーグルス



鈴木大地 92安打

 移籍2年目にして、楽天打線に欠かせぬ存在となっている。前半戦で92安打を放ち、88安打の浅村栄斗、85安打の岡島豪郎を抑えてトップ。特に印象的な活躍を見せたのは7月11日の西武戦(楽天生命パーク)だ。3対3の7回一死一、二塁の好機。武隈祥太の初球カーブをとらえると、打球は右翼ポール際に飛び込み、これが決勝3ランとなった。勝利後のお立ち台では最近全然打っていなかったのでホッとしています」と笑顔を見せた。それでも、前半戦の打率.269は少々物足りない数字。鈴木大の打率が上昇カーブを描くようになれば、後半戦を有利に戦うことができそうだ。

埼玉西武ライオンズ


西武・森友哉


森友哉 83安打

 リーグ5位の打率.304をマークしている森友哉がチーム最多の83安打を放っている。天才的なバットコントロールを擁する巧打者。難しいボールもヒットゾーンに運ぶ打撃技術は誰にもマネできない。2019年には打率.329で1965年の野村克也(南海)、91年の古田敦也(ヤクルト)、2012年の阿部慎之助(巨人)に続く捕手として史上4人目の首位打者に輝いた。捕手という重責をこなしながら、打棒でも力を発揮してくれるのは頼もしい限りだ。しかし、休養を挟んだ起用で、ここまで7試合に欠場。ゆえに安打数はリーグ9位となっている。今季は主力野手にケガで戦線離脱が相次ぎ、致し方ない面もあるが、ほかの選手がさらに安打数を稼ぎ、リーグ上位をうかがってもらいたい。

北海道日本ハムファイターズ



近藤健介 71安打

 前半戦のチーム最多安打王は、76試合に出場し71安打を放った近藤健介だ。個人打撃成績では打率.282、7本塁打、41打点、出塁率.418とすべての部門でチームトップ。3年連続3割超えの安打製造機にとってはまだまだ納得のいく成績ではないが、不振の中田翔に代わって四番にも座り打線をけん引している。チームが新型コロナに集団感染し苦しい状況の中再開された5月8日の楽天戦(札幌ドーム)では、田中将大から先制タイムリーと6号本塁打を放ち3連勝。「1、2年目はまったく歯が立たなかったが、10年やってきて成長できたかなと思います」と手応えを感じた。五輪代表にも招集され、日の丸を背負っても卓越したバットコントロールで勝利に導きたい。

写真=BBM
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