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ベースボールゼミナール

高いフライが上がり、太陽がまぶしいときの対処法は?/元中日・井端弘和に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は内野守備編。回答者は現役時代、7度、ゴールデン・グラブ賞に輝いた、元中日ほかの井端弘和氏だ。

Q.中学2年生でショートを守っています。高くフライが上がったとき、太陽がまぶしくてボールを見失うことがあります。どうすればいいですか。また、プロ野球選手はサングラスをしていますが、効果があるのでしょうか。(神奈川県・15歳)


外野守備の話だが、5月5日の広島戦(マツダ広島)で太陽と重なり飛球を見失いながらも何とかキャッチした巨人・丸


A.ダメだと思ったら、横を向いて太陽から視線を外す。見る角度を変えてボールが出てきたところで処理

 太陽のまぶしさは、内野手に限らず、野球をやったことがある人は苦労させられた経験があると思います。私も中学生のころはサングラスをかける習慣がありませんでしたので、質問の方の気持ちが良く分かります。このような場合、まずはグラブや利き手で太陽を隠す努力をしましょう。それでもまぶしいことはまぶしいのですが、ボールを目で追えていれば、ある程度は問題なく捕球できるのではないでしょうか。

 しかし、太陽とボールが完全に重なってしまった場合、手で隠そうが、グラブを掲げようが、どうしようもありません。そうなったとき、私は横を向いていました。太陽を直接見てしまうと、目がやられます。それを防ぐために、「ダメだ」と思ったら、(ショートの位置から)打球が上がったホーム方向を見るのではなく、サード方向(の上空)を見たり、セカンド方向を見たりして太陽から視線を外していました。見る角度を変える、と言えばいいでしょうか。

 そうこうするうちに、太陽からボールが外れてボールが出てきます。そこから対応してやればよいのです。早く出てきてくれると、その分、対応も簡単ですね。もちろん、上がった直後に太陽を隠しながらどこに上がったのかを判断することは当たり前のことで、落下点に移動します。そのあと、あまりにもまぶしければ、横を向いてあげましょう。まぶしいのにいつまでも同じ角度で見上げていてもまったく意味がないですからね。

 サングラスはプロだけでなく、アマチュアでもかける選手が多くなっていますが、ある程度まではまぶしさが軽減されるとはいえ、もろに太陽とボールが重なってしまったら、太陽の光にのみ込まれて見えません。外野手の話ですが、今年に入ってから、広島−巨人(マツダ広島)の試合でも両チームのセンターの選手がサングラスをしていながら、飛球の処理に困っている場面もありました。巨人・丸佳浩選手は2度あり、何とか処理できたのは最後の最後で打球が太陽から出てきてくれたから。広島・羽月隆太郎選手は打球を見失い、適時打にしてしまいましたが、最後まで太陽と重なっていたと考えられます。

 このようなケースに遭遇した場合は、「太陽から早く出てきてくれ」と願いながら、顔の角度を変えたり、太陽を手でもさえぎってみたりと、何とかボールを探す努力をしてみてください。

●井端弘和(いばた・ひろかず)
1975年5月12日生まれ。神奈川県出身。堀越高から亜大を経て98年ドラフト5位で中日入団。14年に巨人へ移籍し、15年限りで現役引退。内野守備走塁コーチとなり、18年まで指導。侍ジャパンでも同職を務めている。現役生活18年の通算成績は1896試合出場、打率.281、56本塁打、410打点、149盗塁。

『週刊ベースボール』2021年7月12日号(6月30日発売)より

写真=BBM
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