週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

巨人が逆転優勝へ…菅野智之と山口俊が「ダブルエース」で稼働できるかがカギ

 

実績ある投手の奮闘はVへ必要



 リーグ3連覇を狙う巨人は前半戦を終え、43勝32敗10分。貯金11で首位・阪神を2ゲーム差で追いかける。想定外のアクシデントに相次いで見舞われた中で、十分に健闘していると言えるだろう。4月27日のヤクルト戦(神宮)で来日デビューを飾った新外国人のエリック・テームズが外野の守備で負傷交代。右アキレス腱断裂の重傷を負った。また、坂本勇人が5月上旬に右手親指骨折で1カ月戦線離脱。丸佳浩は打撃不振で6月上旬にファーム降格し、吉川尚輝も左手中指末節骨骨折および左手中指爪根脱臼で戦線離脱した。さらに、コロナ禍により家族の来日が叶わないため、新外国人のジャスティン・スモークが電撃退団。FAでDeNAから加入した梶谷隆幸も7月10日の阪神戦(甲子園)で死球により、右手の甲を骨折した。ベストメンバーで戦えた試合は数少ない。それでも全員野球で白星を積み上げるのが巨人の強さだ。

 打線は丸が調子を上げ、坂本、岡本和真ウィーラーら主軸に加え、松原聖弥北村拓己ら若手の成長が著しい。ベテランの中島宏之亀井善行も控えた陣容で選手層が厚い。問題は投手陣だ。

 スポーツ紙デスクはこう分析する。

高橋優貴がリーグトップの9勝、戸郷翔征が8勝と前半戦で奮闘しましたが、両投手は1年間通じて先発ローテーションで投げた経験がない。カギを握るのが勝負どころを知っている実績十分の投手たちです。山口俊と菅野智之がどこまで白星を積み重ねられるかがチームの命運を握ることになるでしょう」

 山口は19年オフ、巨人からポスティングシステムでブルージェイズに入団したが、今年6月に巨人に復帰。メジャーでは通算2勝4敗1ホールド、防御率8.06と思うような結果は残せなかったが、気持ちは切り替わっている。途中加入で2勝1敗、防御率2.45と先発ローテーションで稼働している。19年に15勝4敗、防御率2.91で最多勝、最高勝率(.789)、最多奪三振(188)で5年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。高度な投球術と無尽蔵のスタミナで夏場は特に頼もしい。後半戦も先発陣の中心として活躍が期待される。

調子の上がらない菅野は不安だが…


巨人・菅野智之


 心配なのが菅野だ。今季は9試合登板で2勝4敗、防御率3.29。前半戦だけで故障やコンディショニング不良を理由に、4度登録抹消された。5月以降は4試合しか投げていない。6月13日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2回2/3を投げて4失点KOを喫し、コンディションを整えるためにファームでの調整を選択したが、中17日の登板間隔を開けた7月1日の広島戦(東京ドーム)で復調の兆しが見えなかった。2回1/3を投げて4失点KO。常時150キロ以上計測していた直球が140キロ前半に落ち込み、簡単に痛打される。今月2日に4度目の登録抹消をされると、内定していた東京五輪の出場辞退を発表した。

 昨年は開幕13連勝を含む14勝2敗、防御率1.97。3度目の最多勝、初の最高勝率(.875)、2度目のリーグMVPを受賞。オフにはポスティングシステムでメジャー・リーグへの移籍を目指したが、交渉期限までにまとまらずに残留が決まった。アメリカ球界も熱視線を送るエース右腕は後半戦に復活できるか。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング