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安樂智大、有原航平、高橋光成が1位指名されたが…パ・リーグ6球団「2014年ドラフト指名組」の出世頭は?

 

2014年秋のドラフトでは有原航平が4球団競合、安樂智大が2球団競合の末、それぞれ日本ハム楽天がクジを引き当てた。この年の指名選手は今年で7年目を迎えるが、“出世頭”と言える選手は果たして誰か? パ・リーグ6球団の「2014年ドラフト指名組」の現状を見ていこう。
記録は前半戦終了時

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・安樂智大


 2014年のドラフトでは支配下で7人、育成で2人の選手を指名したが、チームに残っているのは1位の安楽智大のみだ。7年目右腕は今季、その評価にふさわしい活躍を見せている。前半戦は中継ぎとしてチーム4位の31試合に登板。終盤のピンチの場面で登板する機会が多いが、防御率1.11の安定感で火消し役を担っている。これまでは故障に悩ませる期間が多かったが、雌伏の時を経て心身ともに充実。今やブルペンには欠かせぬ存在だ。また、2位の小野郁ロッテ移籍後にブレークを果たし、こちらもリリーフで力を発揮中。育成1位の八百板卓丸は19年限りで戦力外となり、20年は巨人と育成契約。今春キャンプ中に支配下へ昇格した。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・淺間大基


「2014年ドラフト指名組」は主力に成長した選手が多い大当たりの世代だ。まずは1位の有原航平。新人王、最多勝(19年)を獲得してエースに上りつめ、昨オフにレンジャーズ入りした実績十分な右腕が出世頭といえる。2位・清水優心は正捕手最右翼でチーム最多のスタメンマスクをかぶり投手陣を支える。今季、低迷するチームを救うのはこの年入団した横浜高コンビ。3位・淺間大基は攻守走に非凡なセンスでライバルの多い外野レギュラーの座を勝ち取った。7位・高濱祐仁は育成を経て大ブレーク。三番、一塁に定着し持ち前の勝負強さを発揮している。4位の石川直也はトミー・ジョン手術を経て9月には実戦復帰予定。8位・太田賢吾ヤクルト移籍、3人は退団している。

オリックス・バファローズ



 戦力となっている選手は数多い。明大から1位入団の山崎福也は、1年目にプロ初勝利を挙げるも、なかなか飛躍できずにいたが、昨季先発ローテ入りして5勝、今季も開幕先発ローテを勝ち取って4勝を挙げている。横浜隼人高から2位入団の宗佑磨も今季はコンスタンに結果を残して二番に定着。外野の間を破れば俊足を生かして長打にするほか、勝負強さも光り、三塁守備でも軽快な動きを見せて定位置をつかみつつある。3位の佐野皓大が野手転向で代走の切り札となり、5位の齋藤綱記もサイド転向で武器をつくり、7位の西野真弘も2016年は全試合出場。8位の小田裕也も代打、代走、守備固めと多彩な起用に応え、9位の鈴木優も昨季プロ初勝利と多くの選手が芽を出している。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・中村奨吾


 投打とも主力が育っている。中でも早大から1位入団した中村奨吾だ。1年目から111試合に出場と即戦力の期待に応える働き。3年目の2017年に“ミスター・ロッテ”の背番号8を受け継ぐと、18年から二塁に固定されると同年から全試合出場を継続中。打っては右方向に軽打するなど打線を機能させ、今季は打率3割超とチームをけん引している。また、井口資仁監督の指名で今季から主将に。左胸の“Cマーク”に恥じぬ成績を残している。投手では星稜高から3位で入団した岩下大輝が、今季前半戦チームトップの8勝をマーク。トミー・ジョン、椎間板ヘルニアと、2度の手術を経験した男が“勝ち頭”として奮闘している。

福岡ソフトバンクホークス



 入団6年目の2020年からガラリと立ち位置を変えたのが、2014年のドラフトで2位指名された栗原陵矢だ。捕手という厳しいポジション争いを一度フラットに考え、試合に出ることを優先。持ち前の力強い打撃に、守っては外野(右翼、左翼)、一塁にも取り組んだことで道を開いた。昨季は柳田悠岐らとともに中軸を担い規定打席到達、リーグ4位の73打点をマーク。日本シリーズでも爆発力を見せMVPに輝き、20年シーズンを象徴するチームの顔となった。今季は三塁にも挑戦しユーティリティー性にさらに磨きを掛けると、日本代表にも選ばれ、東京五輪を戦っている。まさしく“出世頭”! 1位の松本裕樹、4位の笠谷俊介も一軍での定位置獲りに向け、懸命なアピールを続けている。

埼玉西武ライオンズ



 支配下で5人、育成で1人を指名した2014年ドラフト。そのうち1位・高橋光成、2位・佐野泰雄、3位・外崎修汰、5位・山田遥楓と、ほとんどの選手が一軍戦力となっている。中でも“出世頭”は高橋と外崎だろう。19年に初の2ケタ勝利を挙げた高橋。昨季は120試合の短縮シーズンで8勝をマークし、初の規定投球回入り。今季は初の開幕投手で勝利を飾り、前半戦でチームトップの8勝。エースと呼ぶにふさわしい存在となりつつある。外崎は内外野を守れる万能性を武器に17年にブレーク。昨季はほぼ二塁を守り、初のゴールデン・グラブを獲得した。佐野、山田もチームに欠かせない戦力となり、大成功のドラフトだった。

写真=BBM
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