東京五輪で金メダル獲得を目指す侍ジャパンがドミニカ共和国、メキシコに2連勝を飾り、1次リーグA組を1位で決勝トーナメントに進出した。投打で球界を代表する選手がズラリと並ぶ豪華な陣容だが、代表から漏れた選手たちの中にも、侍ジャパンのメンバーに能力で決して劣ってない強打者、好投手たちがいる。東京五輪で日の丸をつけることは叶わなかったが、彼らも球界を代表する名選手であることは誰もが認めるだろう。後半戦の活躍が楽しみだ。
フルスイングが魅力の「打てる捕手」
・森友哉(西武)
※今季成績77試合出場、打率.304、9本塁打、26打点、1盗塁
※通算成績776試合出場、打率.292、92本塁打、396打点、19盗塁
「打てる捕手」の筆頭格だ。豪快なフルスイングが魅力だが、コンタクト率が高くヒットゾーンに飛ばす能力が高い。2018年に捕手でチーム最多の81試合マスクをかぶり、打率.275、16本塁打、80打点でリーグ優勝に貢献すると、19年は打率.329、23本塁打、105打点といずれもキャリアハイの数字で、捕手では史上4人目の首位打者を獲得。得点圏打率.411とチャンスに強く、リーグ連覇の立役者としてパ・リーグMVPに選出された。課題と指摘されていた守備でもインサイドワーク、ブロッキングと成長の跡を見せている。今季は前半戦で打率3割をキープ。捕手で史上初となる2度目の首位打者も十分狙える。
本塁打、打点でリーグトップ
・岡本和真(巨人)
※今季成績85試合出場、打率.271、27本塁打、80打点、1盗塁
※通算成績524試合出場、打率.278、123本塁打、377打点、10盗塁
懐の広い構えから広角に本塁打を量産する球界屈指の和製大砲。プロ4年目の2018年に打率.309、33本塁打、100打点と史上最年少で「3割・30本塁打・100打点」を達成すると、昨年も打率.275、31本塁打、97打点で本塁打王、打点王の2冠に。今季も27本塁打、80打点はともにリーグトップを快走している。球界を代表するスラッガーに成長した岡本は一度打ちだしたら止まらないが、スランプが長いことも指摘されている。まだ25歳と若い。確実性をさらに磨けば三冠王も視野に入ってくる。
奪三振能力の高いクローザー
・松井裕樹(楽天)
※今季成績41試合登板、0勝2敗23セーブ、防御率0.66
※通算成績387試合登板、22勝40敗164セーブ61ホールド、防御率2.54
全国に名を轟かせたのは桐光学園高2年夏の甲子園。今治西高戦で大会史上最多の10連続奪三振と1試合22奪三振をマーク。1大会通算68奪三振は夏の甲子園で左腕投手の史上最多記録だ。5球団競合のドラフト1位で楽天に入団し、2015年に先発から抑えに転向すると素質が開花。3勝2敗33セーブ12ホールド、防御率0.87をマークすると、その後も守護神として活躍し、18年に史上最年少の22歳10カ月で通算100セーブを達成した。19年は38セーブで自身初の最多セーブ投手に。直球、スライダー、チェンジアップとすべてが一級品で三振奪取能力が高い。先発から抑えに復帰した今季も抜群の安定感を誇る。
巧打で2年連続首位打者へ
・佐野恵太(DeNA)
※今季成績86試合出場、打率.328、8本塁打、34打点、0盗塁
※通算成績372試合出場、打率.306、38本塁打、151打点、1盗塁
2017年にドラフト9位で入団。支配下登録の指名で87人中84番目、セ・リーグでは最後の指名だった4年前に、現在の活躍を想像できた人はいただろうか。内角の難しいコースをさばく天才的な技術で安打を量産し、甘く入った球をスタンドに運ぶ。メジャーに挑戦した
筒香嘉智の後継者に指名された昨年、打率.328、20本塁打、69打点と大ブレーク。プロ4年目で初の規定打席に到達し、首位打者を獲得した。その活躍はフロックではない。相手のマークが厳しくなった今季もリーグトップの打率.328をマーク。後半戦も安打を量産し、2年連続首位打者を狙う。
写真=BBM