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東京2020オリンピック

準々決勝に先発の侍ジャパン・田中将大。「大人の投球」でアメリカ打線を封じ込める

 

東京五輪準々決勝、アメリカ戦に先発する田中将


 8月2日、アメリカとの準々決勝に臨む野球日本代表。先発を託されたのは田中将大(楽天)だ。今季、8年ぶりに日本球界に復帰。シーズンでは自身が24勝0敗と驚異的な数字をマークした2013年時の剛速球を武器に力でねじ伏せる投球スタイルから大きく変わった。今季は前半戦で1238球を投じたが、直球が26.7%。変化球はスライダー31.4%、フォーク系19.9%、ツーシーム8.6%、カットボール6.2%、チェンジアップ4.2%、カーブ3%と多彩な変化球をまじえた「大人の投球」できっちり試合をつくっている。

 今季は13試合登板で4勝5敗、防御率2.86。打線の援護に恵まれず白星は伸びていないが、12試合で6回以上を投げ切り、10試合で3失点以下に抑えている。全盛期の直球の強さは見られないが、変化球をきっちり低めに投げ分けるので大崩れしない。ゲームメーク能力は球界No.1だろう。

 田中将は2008年、19歳のときに星野仙一監督率いる日本代表に選ばれ、北京五輪に出場。世界を相手にすべてリリーフで3試合に投げ、計7イニングを3安打、3四球、9奪三振で無失点に封じ込んでいる。しかし、このときは「メダルなし」に終わっただけに、東京五輪で“リベンジ”したい思いは大きい。「再び日の丸を背負って戦えることに、喜びと同時に責任も感じています。今回は金メダルを獲得できるように頑張ります」というコメントからも、その覚悟がうかがい知れる。

 昨季までヤンキースに7年間在籍し、通算78勝をマーク。オースティン(DeNA)、メジャー通算218本塁打のフレージャーが中核をなすアメリカ打線は侮れないが、田中将にとって外国人打者との対戦経験が豊富な点は大きなプラスとなるだろう。7月25日の侍ジャパン強化試合、対巨人では先発で3回二死まで投げて1安打無失点と好投。調整は順調に進んでいる。背番号18が準決勝進出を決めるピッチングを見せてくれるはずだ。

写真=BBM
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