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東京2020オリンピック

決勝で先発する侍ジャパン・森下暢仁。カギを握るのは緩急をつけたピッチング

 

アメリカとの決勝戦に先発する森下暢仁


 野球日本代表の金メダルを懸けたアメリカとの決勝戦が8月7日、横浜スタジアムで行われる。日本の先発は森下暢仁(広島)。ルーキーイヤーの昨季は10勝3敗、防御率1.91で新人王を獲得した右腕が大一番を託される。

 今季は開幕から大瀬良大地九里亜蓮とともに先発投手陣の柱として君臨。チームがコロナ禍に見舞われた影響で、管轄保健所から自身も濃厚接触者と判定されたことで、約3週間にわたって戦線を離脱したこともあったが、安定感は健在だった。前半戦終了時点で13試合に投げ6勝4敗、防御率2.07。2年目のジンクスを感じさせない結果を残した。

 森下の今季の投球に関して野球解説者の達川光男氏は以下のように評している。

「昨年は少し力んで投げていた感じもありましたが、投げるときのバランスがすごく良くなっており、一番難しい右打者のインサイドにもコントロールよく投げられているのが目立ちます。今年は、すべてのボールを自由に操れていますね。ボールが安定してきたこともあり、カウントを取る球、空振りを狙う球と、1球1球のボールの意味も明確に考えて投げられています。また、『打ってこないだろう』というところでは軽くストライクを取ったり、ランナーが得点圏に行ったらしっかりギアを上げたりと、ピッチングのメリハリもつけられるようになり、いわゆる“勝てるピッチャー”の投球ができるようになっています」

 東京五輪では7月31日、グループステージ第2戦のメキシコ戦(横浜)で先発。初回、4回に1点ずつ失うも、5回5安打2失点としっかり試合をつくり、勝利投手に輝いた。

 野球解説者の川口和久氏は「今回、1戦目のドミニカ共和国、メキシコとパワーヒッターがそろっていることもありますが、感じているのは、詰まらせる球はリスクがあるということです。バットが折れることなく、詰まりながらも外野の前まで運ばれてしまうことがある。逆に有効だなと思ったのが外の緩いチェンジアップ。大抵の打者が体を泳がせ、空振りや引っ掛けた凡打になっていました。緩急は森下の武器でもあるし、今回の大会のキーマンになるかもと思いました」と語っている。

 果たして、森下は日本を金メダルに導くピッチングができるか。

写真=Getty Images
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