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藤原恭大、来田涼斗、リチャード…パ・リーグ6球団「後半戦イチオシ」の若手選手は?

 

来週13日からペナントレースが再開される。すでに折り返し地点は過ぎているが、優勝、クライマックスシリーズ進出に向けて、1試合の重要度が増してくるのは間違いない。シビアな戦いが続く後半戦だが、若い力が能力を発揮してくれればチームにとって大きな推進力となる。果たして、チームに勢いを与える若手はいるのか。パ・リーグ6球団の後半戦イチオシの若手選手を取り上げる。

千葉ロッテマリーンズ



 高卒3年目・藤原恭大の力強さが増している。今季は九番・中堅で開幕スタメンを果たすも快音が聞かれず4月22日に二軍降格。バットを振り込み、6月はイースタン17試合で15安打1本塁打と状態を上げ、7月3日に再昇格を果たして鋭い打球を連発した。一軍復帰戦となった楽天戦(ZOZOマリン)から前半戦終了14日までの9試合で打率.400。下半身の粘り強さが増し、体勢を崩されてもバットのヘッドを走らせ安打を放ち、4盗塁と果敢な走塁を見せて二番打者に定着しつつある。7月28日の阪神とのエキシビションマッチ(甲子園)では本塁打を放つなど長打力もアップ。スピード&パワーで打線を活気づければ前半戦12球団トップだった得点力はさらに上がっていく。

オリックス・バファローズ



 外野の層に割って入らんばかりにアピールしているのがドラフト3位の高卒ルーキー・来田涼斗だ。7月13日に一軍初昇格を果たすと同日の日本ハム戦(釧路)に七番・左翼で出場し、初回のプロ初打席で初球本塁打。3回には左前打を放ってプロ初盗塁を決め、二ゴロを内野安打に変えて、スピードも見せて3安打猛打賞。俊足強打が武器の18歳は、明石商高時代から「トリプルスリーを達成できる選手になりたい」と話していたおり、バットと足で存在感を示した。左翼=吉田正尚、中堅=福田周平、右翼=杉本裕太郎と布陣は固まりつつあるが、若手の台頭は主力の刺激にもなる。後半戦で18歳が躍動すれば、自ずとチーム力も上がっていく。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・高田孝一


 デビューはほろ苦いものとなった。ドラフト2位ルーキー・高田孝一は、6月25日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)でプロ初登板初先発を果たした。だが、初回二死三塁の場面で真砂勇介に投じた2球目が抜け、頭部死球となってしまう。わずか16球での危険球退場に、本人は「真砂選手に申し訳なかった。初回で降りる形となり、ブルペンの皆さんにも申し訳ない」とうなだれた。それでも最速156キロの速球とマウンド度胸は大きな武器。その後は中継ぎとして2試合に登板して6回を1失点と安定感を発揮。後半戦で2度目の先発起用もありそうだ。



福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・リチャード


 王貞治球団会長も期待を寄せる大砲候補の一軍デビューはあるか!? 昨季、ウエスタン・リーグ本塁打王&打点王を獲得し、今年も春季キャンプ、オープン戦は一軍で過ごした。しかし、いくら人並外れたパワーがあっても確実性に乏しければ、一軍に生き残るのは難しい。開幕一軍を逃すと、ファームでは自らの課題と向き合う毎日。本塁打&打点リーグトップで前半戦を折り返したが、昇格を確実なものにするにはまだまだだ。だからこそ、8月10日まで行われているエキシビションマッチでのアピールは必須。7日現在、打率は.240といまひとつも、本塁打2本はど迫力だった。本来レギュラーである松田宣浩の調子もあって、三塁は狙いどころ。もっとリチャードらしさを見せて、ポジションを奪いにいきたい。

埼玉西武ライオンズ



 前半戦終了時点で西武の先発ローテーションは高橋光成松本航今井達也ニールは確定していたが、5、6番手は不在だった。エキシビションマッチが始まる前、西口文也投手コーチは「4人以外は調子のいい投手を投げさせていきたい」と語り、若手に競争を促した。期待がかかるのは高卒3年目の渡邉勇太朗だ。今季、一軍初登板を果たし、リリーフで8試合に投げ、0勝2敗2ホールド、防御率4.15をマーク。公式戦中断期間中は7月30日の阪神とのエキシビションマッチ(甲子園)で6回0/3を8安打2失点。さらに8月5日のイースタン・日本ハム戦(鎌ヶ谷)で5回4安打1失点と先発で結果を残している。身長191センチの大型右腕が後半戦、先発ローテをつかみ取ればチームの5位からの浮上も見えてくるはずだ。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・立野和明


 後半戦、先発の一角に期待されるのは2年目の23歳、立野和明だ。昨季は一軍登板なしに終わったが、6月5日の巨人戦(東京ドーム)に先発し念願の一軍デビュー。勝ち負けはつかなかったものの5回を3安打1失点に抑えた。3度目の先発となった6月30日の楽天戦(楽天生命パーク)では5回を投げ3安打無失点でついにプロ初勝利。楽天・田中将大に投げ勝っての白星だった。「自分の中では特別な勝利。去年1年二軍で投げていたときはうまくいかないことが多かったので」とファームのスタッフへの感謝を口にした。出身はイチローと同じ愛知・豊山町。後半もきっちり先発ローテを守り、偉大なる先輩のように大きく羽ばたいてほしい本格派右腕だ。

写真=BBM
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