週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

侍ジャパンの活躍で山本由伸の株が急上昇 メジャーから「菅野や千賀より上」の声が

 

現在の球界でNo.1投手


東京五輪でも抜群の投球を見せた山本


 野球日本代表の侍ジャパンで、メジャーの関係者をうならせる快投を見せたのがオリックス山本由伸だ。グループステージの初戦・ドミニカ共和国戦は6回2安打9奪三振無失点の快投。準決勝・韓国戦も5回1/3で5安打9奪三振2失点と踏ん張り、終盤の勝ち越し劇につなげた。

 東海岸のメジャーのスカウトは山本の投球を絶賛する。

「直球、カットボール、フォークの質が高く、どの球も決め球で三振を加える。また、スラーブのような軌道の変化球も韓国戦では効いていた。菅野智之(巨人)、千賀滉大(ソフトバンク)も良い投手だが、山本のほうが直球の力強さで上回ると思う。変化球も多彩で完成度はダルビッシュ(ダルビッシュ有。パドレス)にもひけをとらないだろう」

 宮崎の都城高では甲子園出場なし。県下では好投手として知られていたが、「高校生ビッグ4」と呼ばれた横浜高・藤平尚真(現楽天)、履正社高・寺島成輝(現ヤクルト)、花咲徳栄高・高橋昂也(現広島)、作新学院高・今井達也(現西武)に比べて注目度は高くなかった。しかし、ドラフト4位で入団してからその序列をひっくり返す。18年にセットアッパーに定着して54試合登板で4勝2敗1セーブ32ホールド、防御率2.89をマーク。19年に先発転向すると8勝6敗、防御率1.95で最優秀防御率に輝く。昨年は8勝4敗、防御率2.20で最多奪三振(149奪三振)のタイトルを獲得した。19年に開催された「プレミア12」ではセットアッパーで侍ジャパンの同大会初優勝に貢献した。

 今季も前半戦を終えて9勝(5敗)、防御率1.82といずれもリーグトップの数字をマーク。昨年最下位に沈んだオリックスはエースの山本、大ブレークした2年目左腕・宮城大弥と左右のエースの活躍で首位を快走している。オリックスで監督経験があり、現在野球評論家の岡田彰布氏は週刊ベースボールのコラムで、「現状の日本プロ野球界でNo.1投手と言っていいんやないやろうか。とにかくすべてのボールに力がある。ストレートは速くてキレがある。変化球も抜群のキレ味よ。山本が本来の投球をすれば、パワーのある他国の外国人選手も、なかなか打ち崩せないやろ」と高く評価していた。

 同じく野球解説者のデーブ大久保氏も、「(山本は身長178センチの体で190センチ以上あるダルビッシュや大谷(大谷翔平)と同じ150キロ後半の真っすぐを投げるんですから、どういうこと? と思っています。NPBの中でNo.1の投手ですよ」と週刊ベースボールのコラムで称賛している。

 意外なことに山本はプロ入団以来2ケタ勝利のシーズンが一度もないが、打線の援護に恵まれなかったことも影響している。前半戦で9勝をマークしている今季は15勝がノルマで最多勝も十分に狙える。パ・リーグは斉藤和巳(元ソフトバンク)、ダルビッシュ、田中将大(楽天)、千賀と球界を代表するエースが育ってきた歴史がある。山本はまだ22歳。オリックスだけでなく、日の丸を背負った国際試合で今後もどのような投球を見せてくれるか楽しみだ。

写真=Getty Images
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング