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プロ野球はみだし録

語呂合わせの背番号…王貞治は「ヤ・キュウ」で「89」。達川光男は「しっかりシ・マル」で?【プロ野球はみだし録】

 

大沢“親分”は「ハムだから」


ダイエー時代の王監督。背番号は「89」だった


 今日、8月9日は野球の日なのだという。8が「ヤ」、9が「キュウ」で、ヤキュウ。この語呂合わせで真っ先に思い出されるのは、低迷するダイエーを黄金時代に導き、現在に至るソフトバンクの礎を築いた王貞治監督の背番号「89」だろう。王といえば巨人での現役時代にトレードマークとした「1」の印象も強いが、新たにダイエーの監督として背負った「89」も同じく「ヤ・キュウ」の語呂合わせによるものだとされている。

 どういうわけか、数字には語呂合わせがついてまわる。数字のスポーツといわれる野球だが、プロ野球では主に語呂合わせの標的(?)となるのは背番号だ。王監督よりも前にパ・リーグで語呂合わせによる背番号を着けたのが“親分”と呼ばれて親しまれた日本ハム大沢啓二監督だった。大沢監督は2期にわたって日本ハムの監督を務めたが、背番号は一貫して「86」。就任に際して、解説者をしていたラジオ局の壮行会で「日本ハムの監督なんだから」と言われたことが決め手だったという。つまり、「ハ・ム」だから「86」になったというわけだ。

 一方で、やはり語呂合わせで縁起が悪いと忌避されてきた背番号もある。プロ野球の草創期から「4」が避けられる傾向が強く、戦後は阪神のバッキー、阪急(現在のオリックス)のマルカーノヤクルトと近鉄のマニエルら助っ人のナンバーという印象に。中日ではマーチン、モッカ、ゲーリーら助っ人が20年間もリレーを続けている。逆に、「4」を「ヨイ」と読んで着けたのも中日にいた杉山悟だ。

「4」が並ぶ「44」も阪神のバース、阪急のブーマーら助っ人の強打者が着けているイメージが強いが、「ヨイヨイ」と読んだのが大洋(現在のDeNA)の加藤博一。40番台の背番号は語呂合わせの宝庫(?)で、「しっかりシ・マル」と「40」にしたのが広島達川光男だ。中日の谷沢健一が「14」から「41」に変更したときには「説明が面倒」と「ヨイに変えた」と言っていたという。変更の真実については『背番号物語』で谷沢を紹介した際に詳しい。その他の語呂合わせも別途『背番号物語』にて(?)。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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