台風接近のため1日順延
8月8日。阪神甲子園球場では開会式のリハーサルが行われた。9日の開会式は台風接近による悪天候が予想されるため、1日順延。仕切り直しは10日の午前9時から行われる予定だ
夏の甲子園の開会式は例年、開会宣言の後、センターバックスクリーンに控えるトランペット隊のファンファーレからスタートする。2年ぶりの開催であり、胸の高鳴りを抑えきれない高校野球ファンも多いことだろう。
8月9日の開会式は台風接近が予想されるため、1日順延。10日の午前9時から、阪神甲子園球場で行われる予定だ。
今夏、新型コロナウイルスの感染拡大予防対策のため、甲子園に入場できるのは学校関係者と主催者が認めた関係者のみ。テレビやラジオなどメディアを通じて開会式を視聴することになるわけだが、最大の見せ場がある。
俳優・歌手の山崎育三郎さんが大会歌『栄冠は君に輝く』を独唱するのである。
この『栄冠は君に輝く』は1948年、古関裕而氏が作曲した名曲だ。高校球児への応援だけでなく、多くの人たちに響くエールが込められており、夏の定番曲として、高い支持を集めている。
山崎さんは昨年、朝ドラで熱演し、同大会歌を熱唱して、大きな感動を呼んだ。今回、甲子園球場から、日本中へ応援メッセージを発信することが期待されている。
山崎さんは大会主催者を通じて、こうコメントしている。
「第103回全国高校野球選手権大会、開催おめでとうございます。この度『栄冠は君に輝く』を甲子園の開会式で歌わせていただくことになりました。昨年朝ドラ『エール』で『栄冠は君に輝く』を歌われた伊藤久男さんをモデルとした役を演じ、今年、甲子園で歌う機会をいただけたご縁に震えるほど感動しています。選手の皆さんには、昨年コロナの影響で大会が中止になり、出場できなかった先輩方の想いも胸に、全力で楽しんでプレーしてほしいです。出場する選手の皆さん、そして、今コロナ禍で戦うすべての皆さんへエールを届ける想いで歌いたいと思います」
8月8日の東京五輪閉会式では、古関氏が作曲した1964年の東京五輪の入場行進曲『オリンピックマーチ』が入場曲として使用された。57年の時を経て、国立競技場に響き、大きな話題となった。世界的スポーツイベントの閉幕から2日後、再び「古関サウンド」が山崎さんによって聖地・甲子園を彩るのである。
歌詞の一言一句、気持ちが入った山崎さんの歌声。いよいよ、2年ぶりの「夏到来」である。第103回大会の開会式は見逃せない。
文=岡本朋祐 写真=早浪章弘