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【後半戦展望】千賀滉大、山崎颯一郎、茂木栄五郎…パ・リーグ6球団「後半戦のキーマン」は?

 

東京オリンピックも終了し、8月13日からペナントレースの後半戦がスタートする。残り60試合前後となっているが、優勝、クライマックスシリーズ進出へ欠かせない後半戦のキーマンはどの選手か? パ・リーグ6球団でチームを勢いづけるのに不可欠な選手を取り上げる。
記録は前半戦終了時

オリックス・バファローズ



1位・オリックス
87試合、42勝34敗11分、勝率.553

 打では吉田正尚の後を打つ杉本裕太郎、救援陣では平野佳寿の連投回避時の代役クローザーなどポイントはある。先発ローテーションは強固とはいえ、不安がゼロなわけではない。山岡泰輔が右ヒジ痛で離脱した穴が一番のポイントになる中で、空いた枠に入るであろう山崎颯一郎に寄せられる期待は大。190センチの長身から角度のある最速154キロの直球主体の投球に、120キロ台のナックルカーブで緩急も操り、プロ初先発となった7月8日の楽天戦(京セラドーム)では5回無失点の好投。トミー・ジョン手術を経て、今季から再び支配下登録された背番号63が、先発ローテをさらに強固にできるか。エース・山本由伸と同期入団の23歳が“新星”として輝けば、戦いもより安定するはずだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



2位・楽天
88試合、41勝36敗11分、勝率.532

 前半戦はコンディション不良もあり、完走はできなかった。グラウンドでは全力プレーを貫くキャプテン・茂木栄五郎だからこその離脱だったが、打線に及ぼす影響は小さくない。ここまで11本塁打は主砲・浅村栄斗を上回り、島内宏明に次ぐチーム2位の好成績。浅村、島内、そしてリーグ2位の打率.335を誇る岡島豪郎が形成するクリーンアップは実に強力だ。その後ろの六番に茂木がいれば、得点力はおのずとアップするはず。体をしっかりとケアしながら、キャリアハイの数字を目指してチームの勝利に貢献したいところだ。

千葉ロッテマリーンズ



3位・ロッテ
83試合、37勝34敗12分、勝率.521

 この男の奮起は必要不可欠だ。今年36歳を迎える荻野貴司が、衰え知らずの俊足を披露して入団から12年連続の2ケタ盗塁をマーク(15盗塁)。打ってはバットを短く持って右方向に巧みに運び、3本の先頭打者本塁を放つなど長打力も秘める。二番・藤原恭大との一、二番コンビは多彩な攻撃を可能とし、三番・中村奨吾、四番・マーティン、五番・レアードと続く打線を活性化させる。入団からケガに泣かされ続けてきただけに、シーズンを通しての活躍は本人も期しているところ。リードオフマンがコンスタンに結果を残せば、前半戦同様に得点力は自ずとアップする。

福岡ソフトバンクホークス



4位・ソフトバンク
88試合、37勝37敗14分、勝率.500

 オリンピックの次はペナントレース! 金メダリスト4選手が、打って、守って、投げて、チームを逆転Vへ押し上げる。柳田悠岐は長打力、栗原陵矢は勝負強さで、ともに打線の軸として欠かせない存在だ。前半戦、得点力不足などの課題が浮き彫りになった攻撃陣を立て直すべく、先頭に立って後半戦スタートから快音を響かせていく。1点を争う戦いでは、甲斐拓也の巧みなリードがポイントに。大事な場面での不用意な一発は何としても防いでいきたい。そして後半戦、特にその力を発揮してもらわないと困るのがエース・千賀滉大。故障明け、状態が不安視される中でのオリンピックも、150キロ超えの直球に代名詞の“お化けフォーク”と千賀らしさを見せつけた。先発ローテーションを担っていたC.レイの退団によるマイナスが心配される先発陣。エースの圧巻の投球で不安を一掃し、昨季終盤のような安定感をもたらす。

埼玉西武ライオンズ



5位・西武
85試合、33勝38敗14分、勝率.465

 後半戦は借金5の5位と苦しんだ。ケガ人が続出したことも大きな要因だが、野手陣、投手陣ともに課題は多く、後半戦の反攻には前半戦で結果を残せなかった選手の復調が必須になる。ただ、それは前半戦でチームを牽引した選手が後半戦も奮闘することが前提だ。その筆頭は平良海馬だろう。39試合連続無失点のプロ野球新記録を樹立した剛腕リリーバー。不調で二軍落ちした増田達至の代わりにクローザーも務める。東京五輪の日本代表に選ばれ、金メダル戦士となったが、同大会では登板が2試合のみ。試合勘に若干の不安を残すが、平良がリリーフとして相手打線をねじ伏せなければ、チームの浮上は望めない。

北海道日本ハムファイターズ



6位・日本ハム
81試合、30勝42敗9分、勝率.417

 課題である得点力不足解消へ向けて、後半戦の打線のキーマンに野村佑希を挙げたい。前半は一番・淺間大基、三番・高濱祐仁らが結果を残し台頭。飛躍を期待された野村は左ヒザ負傷でフル回転できなかったが、38試合に出場して打率.309とまずまずの成績を残した。ただ持ち味である長打力は本領発揮とはいかず本塁打1本止まり。ポテンシャルからすれば、こんな数字で満足する打者ではない。栗山英樹監督も「ガムシャラにやってほしい」と期待値の高さゆえに貪欲な姿勢を求めている。将来を担う若きスラッガーがアーチを量産すれば、得点力もおのずと上がる。チームに勢いをもたらす野村のバットが浮上のカギを握っている。

写真=BBM
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