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【後半戦展望】西勇輝、岡本和真、石山泰稚…セ・リーグ6球団「後半戦のキーマン」は?

 

東京オリンピックも終了し、8月13日からペナントレースの後半戦がスタートする。残り60試合前後となっているが、優勝、クライマックスシリーズ進出へ欠かせない後半戦のキーマンはどの選手か? セ・リーグ6球団でチームを勢いづけるのに不可欠な選手を取り上げる。
記録は前半戦終了時

阪神タイガース



1位・阪神
84試合、48勝33敗3分、勝率.593

 後半戦開幕、広島戦(京セラドーム)の先発マウンドに立つのがエース・西勇輝だ。前半戦は週頭の火曜日の先発を任され、試合をつくった。しかし、首位を走るチームにおいて4勝6敗と2つの借金を背負ってしまったのは悔やまれる。ただ、前半戦最後の登板となった7月11日の巨人戦(甲子園)では9回1失点でも完投負けを喫するなど、打線とうまくかみ合わない部分もあった。8月6日のエキシビションマッチのオリックス戦(京セラドーム)で4回2安打無失点の好投。「試したい球種を試すこともできました」と後半戦へ手応えを感じている。この先、エースの勝ちが増え、貯金を稼ぐような投球が続いていけば、16年ぶりの歓喜も現実味を帯びてくる。

読売ジャイアンツ


巨人・岡本和真


2位・巨人
85試合、43勝32敗10分、勝率.573

 前半戦だけで27本塁打、80打点(いずれもリーグトップ)の不動の四番打者である岡本和真に掛かる期待は大きい。中断期間中のエキシビションマッチでも好調を維持しており、2年連続の本塁打王&打点王の2冠ペースをこのまま維持するならば、チームの得点力は保証される。前半戦は野手の主力選手がケガなどを理由に軒並み登録を抹消され、岡本の前を打つ一〜三番も固定が難しかった。後半戦、この問題が解消されれば、岡本の負担が減りつつ、好機で打席に立つ回数も増えることが予想される。前半戦357得点はリーグ2位。この数字をどこまで伸ばすことができるかは、主砲のバットにかかっている。

東京ヤクルトスワローズ



3位・ヤクルト
83試合、42勝32敗9分、勝率.568

 前半戦は不調に陥り、9回のマウンドから遠ざかっている石山泰稚の浮上がカギになるだろう。開幕序盤はクローザーとして試合を締めていたが、5月になると疲れを見せた。5月9日の巨人戦(東京ドーム)でサヨナラ負けを食らい、同21日のDeNA戦(神宮)でも敗戦投手となって、中継ぎに配置転換。二軍で調整もした。その間、クローザーはマクガフが務めている。首位・阪神に2.5ゲーム差で再開する後半戦も9回打ち切りルールーは継続で、優勝を目指すためには、よりリリーフ陣の働きが重要になってくる。石山が復調しクローザーに返り咲くことができれば、マクガフは中継ぎに復帰でき、ブルペンは再び厚みを増すはずだ。

中日ドラゴンズ



4位・中日
86試合、32勝42敗12分、勝率.432

 得点力不足に悩みチームの中で最も期待できる打者。初来日となった2016年以降、ずっと四番に座り続けているビシエドだ。前半戦はレギュラー陣の打撃不振が相次ぎ、投手陣を援護できない試合が続いた。合格点を与えられる打者は大島洋平福留孝介のベテラン2人、そしてビシエドぐらいだろう。となればキーマンには復調を期待する選手の名を挙げたいところだが、高橋周平京田陽太阿部寿樹平田良介ガーバー……あまりに多過ぎる。この選手まで不振に陥ってしまったら危険という意味で、あえて後半戦のキーマンにはビシエドを指名したい。ここぞの一発は健在。勝負強い打撃でチームを浮上させてほしい。

広島東洋カープ


広島・林晃汰


5位・広島
82試合、30勝42敗10分、勝率.417

 5月後半に新型コロナ禍に襲われた広島にあって、前半戦の攻撃陣を支えたのは、6月以降に先発出場を増やして3割以上の打率をマークした小園海斗と林晃汰の2人だった。中でも林は、6月には月間32安打、17打点で打率.344の活躍。三番や五番、鈴木誠也の欠場時には四番にも座って将来への経験を積んだ。後半戦もチームの浮上のためには、この林と小園が息切れせずに打ち続けられることが条件になるだろう。ただ、林は、引き出しを増やそうといろいろ試していたとはいえ、エキシビションマッチに入って8月8日までの7試合では25打数1安打と当たりが止まっており、立て直しが急務。8月9日のソフトバンク戦(マツダ広島)で、ようやく一発を含む2安打と復調の兆しを見せたが、定位置死守へ、後半戦のスタートが大事になってくる。

横浜DeNAベイスターズ


米国代表でのDeNA・オースティン


6位・DeNA
88試合、31勝44敗11分、勝率.413

 東京五輪では全6試合に出場して、打率.417、2本塁打、7打点の活躍で銀メダル獲得に貢献。米国代表の「キャプテン・アメリカ」と称賛されたオースティンが再開されるシーズンに復帰する。五輪での疲労もあるだろうが、ベイスターズ打線の中核を担う最重要パーソンだ。オースティン不在で戦ったエキシビションマッチでは打線に迫力を欠き、バッターボックスで相手を威圧する“TA”の存在の大きさを感じさせられた。シーズン序盤と比べれば、徐々にではあるが先発投手は整備されてきた。オースティンを四番に据えた強力打線で投手陣を援護していきたい。

写真=BBM
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