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2021夏の甲子園

スカウトは「対応力の確認ができた」。1位候補・風間球打の投球に感じられた意識の高さ【2021夏の甲子園】

 

「緩急を使った投球もできる」


明桜・風間球打は帯広農との1回戦で4回無失点。試合は雨天のため、ノーゲームとなった


 甲子園初マウンドは、ノーゲームとなった。

 明桜(秋田)の157キロ右腕・風間球打は帯広農(北北海道)との1回戦(8月12日)に先発。明桜高が5対0とリードした5回表、雨脚が強まり中断。天候回復が見込めないため中止、明日13日に順延となった。

 夏の全国選手権でのノーゲームは第91回大会(2009年)の1回戦、如水館(広島)対高知が2試合連続でなって以来、19試合目だ。

 183センチ右腕の明桜・風間は初回に、この試合最速の149キロを計測。4回までに55球を投げ、相手打線を無安打に抑え、4奪三振2四死球という投球内容だった。

 ネット裏ではNPB12球団のスカウトが視察。今大会、注目度No.1選手のピッチングに、熱視線が注がれた。

 春の練習試合、夏の秋田大会に続き、3度目の視察となった巨人・榑松伸介スカウト部次長は「下のコンディションが悪く、7〜8割で投げている様子でした。それでもなお、ボールの角度が良くて、変化球をうまく織り交ぜていた。スピード(球速)ばかりがクローズアップされますが、その日の状況に合った投球ができる。対応力の高さを確認することができました」と高く評価した。

 自己最速を3キロ更新する157キロを計測した今夏の秋田大会準々決勝(対秋田)を視察したヤクルト・橿渕聡スカウトグループ次長デスクは「ウチのスピードガンでは(最速は)147キロでした。地方大会と比べると、球威は出ていませんでしたが、丁ねいに低めに投げようという、意識が感じられました。力で打者をねじ伏せるだけでなく、緩急を使った投球もできる、もう一つの顔を見ることができたのは収穫です」と語った。

 巨人・榑松スカウト部次長は「1位候補です。(上位)12人には入る」と語り、ドラフト会議(10月11日)の目玉となる可能性を示唆した。この日の1回戦は明日の第1試合(8時開始)に仕切り直し。明桜高は風間と右腕・石田一斗(3年)との併用で秋田大会を勝ち上がってきており、投手起用も注目されるところだ。2021年夏は名実とも「風間の大会」となるのか。剛腕の投球から見逃せない。

文=岡本朋祐 写真=牛島寿人
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