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前半戦大誤算だった菅野智之、山川穂高、平田良介…後半戦で輝き取り戻せるか

 

 前半戦は阪神佐藤輝明中野拓夢広島栗林良吏DeNA牧秀悟楽天早川隆久、高卒2年目のオリックス宮城大弥ら若い力の台頭が目立った。一方で球界を代表するエースとして活躍していた巨人菅野智之が度重なる故障で本来のパフォーマンスを発揮できずに東京五輪を出場辞退、西武山川穂高中日平田良介ら主軸として稼働しなければいけない選手たちも打撃不振で苦しんだ。今年は東京五輪により、ペナントレースが25日間の中断期間があった。この期間でコンディションを整え、後半戦で輝きを取り戻せるか。
※成績は前半戦終了時点

逆転優勝へエースの完全復活は必須


巨人・菅野智之


・菅野智之(巨人)
通算成績205試合登板 103勝53敗、防御率2.36
今季成績9試合登板、2勝4敗、防御率3.29

 プロ9年目。ここまで苦しんだシーズンはかつてなかった。9試合登板で2勝4敗、防御率3.29。前半戦だけで故障やコンディショニング不良を理由に、4度登録抹消された。6月13日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2回2/3を投げて4失点KOを喫し、コンディションを整えるためにファームでの調整を選択したが、中17日の登板間隔を開けた7月1日の広島戦(東京ドーム)でも2回1/3を投げて4失点KO。常時150キロ以上計測していた直球が140キロ台前半に落ち込み、簡単に痛打される。内定していた東京五輪もコンディション不良で出場辞退した。

 昨年は開幕13連勝を含む14勝2敗、防御率1.97。3度目の最多勝、初の最高勝率(.875)、2度目のリーグMVPを受賞と圧巻の投球を見せただけに、現状を最も歯がゆく感じているのは菅野本人だろう。巨人OBで野球評論家のデーブ大久保氏は週刊ベースボールのコラムで、「この状況で、阪神をまくり3連覇をするには、もう一つ必要な要素があります。それが菅野(智之)の復調です。これこそが連覇への大きなポイントになるはずです」と逆転優勝のキーマンに挙げている。エースの完全復活をファンは待ち望んでいる。

自慢の長打に勝負強い打撃を


西武・山川穂高


・山川穂高(西武)
通算成績586試合出場 打率.255、166本塁打、449打点、1盗塁
今季成績56試合出場 打率.222、13本塁打、35打点、0盗塁

 2018年に47本塁打、19年に43本塁打で2年連続本塁打王を獲得。ボールを遠くへ飛ばす技術は球界屈指の和製大砲だが、壁に当たっている。昨年は右足首を捻挫して強行出場したが、万全の状態に程遠く打率.205、24本塁打。復活を期した今季は3月30日の日本ハム戦(札幌ドーム)で右翼席に1号2ランを放ったが、一塁を回った際に左足を痛めて交代。左ハムストリングスの軽い肉離れで戦線離脱した。1カ月以上のリハビリを経て、5月7日に一軍復帰したが、なかなか上昇気流に乗れない。

 月間成績を見ると、5月が打率.250、4本塁打、6月が打率.224、6本塁打。確実性を欠き、7月は27打数3安打、打率.111、2本塁打とさらに沈んだ。結果を出そうと焦りもあるのかオーバースイングが目立ち、得点圏打率は.167と打線の中でブレーキに。打順も四番から下位になり、スタメンから外れることもあった。相手投手を震え上がらせた破壊力抜群の西武打線は、山川の復調なくして完成しない。後半戦は本塁打を量産してチームを勝利に導く。

5年契約最終年に奮起を


中日・平田良介


・平田良介(中日)
通算成績1176試合出場 打率.270、104本塁打、474打点、41盗塁
今季成績21試合出場 打率.155、0本塁打、4打点、1盗塁

 前半戦を終えて中日の総得点はリーグワーストの249点。貧打が深刻な状況で、チームを引っ張らなければいけいない平田が4月下旬からファーム暮らしでは寂しい。2018年に自己最高の打率.329、9本塁打をマーク。自身初のゴールデン・グラブ賞を獲得したが、その後はたび重なる故障も影響し、19年が95試合出場、昨年は55試合出場と出場機会を年々減らしている。

 巻き返しを誓った今季は開幕戦・広島戦(マツダ広島)に「五番・右翼」でスタメン起用されるなど首脳陣の期待が大きかったが、打撃の状態が一向に上向かない。4月28日に登録抹消され、その後は一軍から声がかからない。かつては大阪桐蔭高で1年秋から四番に座り、高校通算70本塁打をマーク。3年夏の甲子園で1試合3アーチを放つなどスラッガーとして名を轟かせていた。中日に05年ドラフト1巡目で指名された際は、当時の落合博満監督が「あれだけ振れる選手はそうはいない。鍛えれば俺以上の打者になる」と高く評価していたが、今季が5年契約の最終年。プロ16年目の33歳は背水の陣を迎えている。

写真=BBM
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