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山本由伸、佐藤輝明、早川隆久…「98年世代」はプロ野球の中心軸になれるか

 

 東京五輪で金メダルを獲得した野球日本代表の侍ジャパン。エース格として活躍が光ったのがオリックス山本由伸だ。1次リーグの初戦・ドミニカ共和国戦は6回2安打9奪三振無失点の快投。準決勝・韓国戦も5回1/3で5安打9奪三振2失点と踏ん張り、終盤の勝ち越し劇につなげた。山本は1998年生まれ。実はこの世代は逸材がそろっている。阪神佐藤輝明楽天早川隆久西武今井達也DeNA牧秀悟、西武・若林楽人ロッテ種市篤暉和田康士朗巨人大江竜聖広島坂倉将吾中日藤嶋健人ヤクルト梅野雄吾日本ハム河野竜生……。チームの主力として台頭している選手たちは、山本と同様に将来は侍ジャパンで活躍する可能性を十分に秘めている。
記録は8月14日現在

無限の可能性を秘める右腕


オリックス・山本由伸


・山本由伸(オリックス)
※今季16試合登板 9勝5敗、防御率1.82
※通算113試合登板 30勝18敗1セーブ32ホールド、防御率2.27

 球界No.1投手の座に上り詰めたと言っても異論はないだろう。最速158キロの直球に加え、カットボール、スライダー、フォーク、カーブ、ツーシームと変化球も多彩ですべての球種の精度が高い。生まれ育ったのは岡山県備前市。野球留学で宮崎県の都城高に進学した。甲子園出場は叶わなかったが、県下で名の知れた右腕だった。オリックスに2017年ドラフト4位で入団し、高卒2年目の18年にセットアッパーで54試合登板、4勝2敗1セーブ32ホールドと活躍。先発転向した19年は8勝6敗、防御率1.95で最優秀防御率のタイトルを獲得し、同年に開催された「プレミア12」でもセットアッパーで侍ジャパンの初優勝に貢献した。今季は9勝(5敗)、防御率1.82といずれもリーグトップの数字で、首位を快走するチームを牽引。今後どう進化するか想像できない無限の可能性を秘めている。

衝撃弾を何度も放ったルーキー


阪神・佐藤輝明


・佐藤輝明(阪神)
※今季84試合出場 打率.267、20本塁打、52打点、5盗塁
※通算84試合出場 打率.267、20本塁打、52打点、5盗塁

 今季の前半戦で球界を盛り上げた主役は佐藤輝だろう。日本人離れしたパワーで衝撃的な一撃を何度も放った。4月9日のDeNA戦(横浜)で国吉佑樹(現ロッテ)のスライダーを豪快に振り抜き、横浜スタジアムの右中間に場外アーチ。5月28日の西武戦(メットライフ)では2回に高橋光成のフォークに泳がされながらも片手1本でバックスクリーンへ11号ソロ、6回に再び高橋光成から左中間へ12号ソロを放つと勢いは止まらない。同点の9回に勝ち越しの13号決勝3ランを右中間最深部に運び、セ・リーグの新人で1958年の長嶋茂雄(巨人)以来63年ぶりの1試合3本塁打を記録した。球宴のファン投票では新人で史上初のセ・リーグ最多得票で外野手部門に選出され、2戦目にオリックス・宮城大弥から左翼席にアーチを打ち敢闘賞を受賞した。後半戦も本塁打を量産する姿が楽しみだ。

安定感が武器の新人左腕


楽天・早川隆久


・早川隆久(楽天)
※今季13試合登板 7勝3敗、防御率3.39
※通算13試合登板 7勝3敗、防御率3.39

 早大4年時に大ブレークした左腕は「大学No.1」の看板に偽りなしの結果を残している。開幕から先発ローテーションに入り、7勝をマーク。140キロ後半の直球、カットボール、チェンジアップ、カーブ、スライダーを小気味よく投げ込む。走者を背負っても大崩れしない安定感も大きな武器だ。順調に白星を重ねてきたが、初めて経験するプロのシーズンで疲労もたまってくる。6月に入ると調子を落とし、25日に登録抹消された。五輪でシーズンの中断期間に調子を取り戻し、今月4日のエキシビションマッチ・ヤクルト戦(楽天生命パーク)で5回4安打1失点の快投を見せた。楽天は田中将大涌井秀章岸孝之則本昂大と実績のある先発投手がそろっているが、左腕は少なく早川は貴重な存在だ。8年ぶりのリーグ優勝に向け、新人左腕の活躍が大きなカギを握る。

写真=BBM
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